さまざまな組織形態のうち、ブランドを中心とした経営体制を採る組織をブランドマネジメント制と呼ぶ。それぞれのブランドに固有の「意味」を確立し、長期的に利益を最大化するブランドの管理・運営のために生まれた組織形態である。多くの日本企業でこの制度を構築、維持するためには、いくつかの課題がある。

ブランドに担当者を配置し、ブランドマネジャーと呼ぶことだけではブランドマネジメント制は完成しない。ブランドマネジメント制の採用は、マーケティング組織だけの問題ではなく、全体的な組織運営や組織構造にも大きな影響を与えるものだ。ビジネスによっては、必ずしもブランド制を採らないことがいい結果につながることもあるかもしれない。とはいえ、ブランドを経営の最小単位とすることは、売り上げや利益管理、人材の育成などの見地からも有効なことが多い。
実現する上では、特に日本企業では乗り越えるべき課題がいくつかある。今回はその中で代表的な3つの課題を指摘したい。
(1)ブランド別のP/Lが分からない
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