一般的には、競争に勝てるのは強いからである。そして、強いというのは資源をたくさん持っていることを指す。つまり、強くなるためには、資源をたくさん保有すればいい。違った視点から眺めたり、既存の資源と交換したりすることで、より多くの資源を手に入れることが可能だ。結果的に、よりよく目的を達成し、競争に勝つことができるだろう。

 「悲しいから泣いているのではない。泣いているから悲しいのだ」という有名なフレーズがある。マーケティング的には、「好きだから買っているのではない。買っているから好きなのだ」というのが真実であることも少なくない。強いから勝つのか、勝つから強いのか。これも似た命題だ。

 世界最速のF1ドライバーと世界第2位のF1ドライバー。比べたときにその差が歴然としている時代もあるけれど、実力伯仲の時代もある。特に後者の場合、果たして速いから勝ったのか、勝ったから速いのか、定かでない。論理的には速いから勝つのだけれど、現象を見ると勝ったから速い、と言えそうなこともある。とはいえ、圧倒的な速さというものがあるように、圧倒的に強いプレーヤーはいる。勝ったから強いのではなく、強いから勝てている状態だ。

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