約3万人を対象としたインターネット調査により、日本人の消費生活の実態に迫る連載企画。今回は60~64歳の男性、女性を対象にそれぞれ好むキッチン用品ブランドを調査。男性は1904年創業の「ノリタケ」(ノリタケカンパニーリミテド)、女性は1752年創業の「たち吉」を特に好む。この層の男性はネット通販、女性は社会貢献や環境問題への関心も高くなっている。

 約3万1000人の調査対象者を有する調査会社マクロミルのブランドデータバンク。今回は、2021年7月に実施した最新の調査結果から、60~64歳の男女が「好きなキッチン用品ブランド」に着目。10~60代全体の男女のデータと比較し、この層が好むキッチンブランドを調べた。

 調査実施時に60~64歳の人々は、「岩戸景気」と呼ばれる高度経済成長とほぼ重なる1957~61年に生まれた世代だ。64年に東京オリンピックが開催され、65年秋に「いざなぎ景気」に突入。68年にはGNP(国民総生産)が米国に次ぐ世界2位になった。カラーテレビ、クーラー、自動車が「新・三種の神器」と呼ばれ、ライフスタイルが大きく変化した時代に育った層だ。

 60~64歳男性の平均世帯年収は583万円。男性全体平均(543万円)を40万円上回る。個人年収も、60~64歳男性は364万円で、男性全体平均(331万円)より上だ。月の小遣いも60~64歳男性は4万3287円で、男性全体平均3万4634円より8000円以上多い。

 女性を見ても同様だ。平均世帯年収は60~64歳女性が460万円で、女性全体平均は441万円。個人年収(73万円)こそ女性全体平均(95万円)を下回るものの、月の小遣いは2万8360円と、女性全体平均(2万4643円)を上回っている。

 相対的に大きな購買力を持っている60~64歳男女は、どんなキッチン用品ブランドを好んでいるだろうか。

10~60代全体ではSPAブランドが人気

●好きなキッチン用品ブランドベスト20
●好きなキッチン用品ブランドベスト20

 まず10~60代全体のランキングを見てみると、1位「無印良品」、2位「ニトリ」、3位「たち吉」、4位「ノリタケ」、5位「イケア」となった。全体では、無印良品やニトリ、イケアなど、自社商品を扱うSPA(製造小売業)のブランドが人気を集めている。

 続いて、6位「ティファール」、7位「パナソニック」といったキッチン家電を含む調理器具メーカーがランクイン。9位「ウェッジウッド」や11位「イッタラ」など海外の食器ブランドも人気を集めた。

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