約3万人を対象としたインターネット調査により、日本人の消費生活の実態に迫る連載企画。今回は、この5年間で、消費者が選ぶ服がどう変わったかを見ていく。勢いを増す国内のファストファッションとともに、順位を上げたブランドは? 人々が好む服の変遷を分析した。
今回はマクロミル ブランドデータバンク(bdb)が約3万人に実施した調査項目から、「持っていてお気に入りの服」に着目。2015年6月調査と20年6月調査の男性、女性ランキングのトップ15をピックアップし、比較・分析した。
15年6月の男性、女性ランキングで1位だった「ユニクロ」は、20年6月の最新の調査でも首位をキープ。選んだ人の割合も17.4%から26.7%に大きく上昇していることから、この5年間でさらに人気が集中したことが分かる。
最新の男性ランキングの2位「ジーユー」は、5年前の5位から順位を上げている。女性ランキングでも5年前と変わらず2位をキープ。男性、女性ランキングのスコアは倍以上に伸びており、やはり人気度は高まっている。
実質値下げのユニクロとジーユー
21年4月1日から、店舗などでの価格表示において、消費税込みの総額表示の義務化が始まった。それに伴ってファーストリテイリングが発表したのが、従来の本体価格を消費税込みの価格にする価格据え置きだ。例えば、これまで「1990円+消費税」だった価格は、消費税込みで「1990円」となり、実質値下げとなる。この値下げは2ブランドにさらなるブランド力向上をもたらすはずだ。
男性トップ15で、1位ユニクロ、2位ジーユーに続くのが、3位「アディダス」、4位「ナイキ」だ。2つのスポーツブランドは、どちらも5年前と比べて順位を上げている。両ブランドともに、さまざまなブランドとのコラボレーションアイテムが人気を集めている。
21年2月、ナイキは、手を使うことなく着脱可能なスニーカー「ナイキ ゴー フライイーズ」を発表したばかり。コラボアイテムや最新のテクノロジーを取り入れたアイテムで話題を集めながら、ブランド力を着実に伸ばしている。
そのほか、男性ランキングで順位を上げたのが7位「しまむら」、8位「ザ・ノース・フェイス」だ。ザ・ノース・フェイスもまた、さまざまなブランドとのコラボアイテムが人気を集めるブランドだ。20年12月には、グッチとのコラボコレクションが話題となった。
1位、2位のユニクロ、ジーユーもそうだが、男性ランキングで順位を上げたブランドの共通項として、コラボアイテムが人気を集めていることがある。
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