男性用スキンケア市場で大躍進を遂げているのが、資生堂の「ウーノ」だ。「肌が潤う」機能性をアピールするのがスキンケア用品の定石の中、斬新なキャッチコピーがビジネスパーソンの心を捉えた。さらに、草の根の啓蒙活動もヒットを醸成。ニッチからマスへ――。ウーノの躍進で市場が大きく動いた。

男性用のBBクリーム、ウーノ フェイスカラークリエイター
男性用のBBクリーム、ウーノ フェイスカラークリエイター

 資生堂の男性向けブランド「ウーノ」のスキンケア・メーク商品が伸長している。特に、2019年後半は新製品が相次ぎヒット。12月の同ブランドの売り上げは、前年比2倍以上に達した(True Data調べ)。

 好調の裏には、資生堂が仕掛けてきた周到な戦略がある。16年、男性用スキンケア市場で先行する「ニベア」(ニベア花王)を追い、ウーノは1品で化粧水や乳液、美容液などマルチな役割を果たす「ウーノ クリームパーフェクション」を開発。従来通り「肌が潤う」と訴えても男性には響かないと考え、打ち出したキャッチコピーが“肌は大人の勝負服”だ。「洋服と同様、肌を整えればビジネスで自信を持って勝負できるという“ベネフィット”を示した」(資生堂ウーノ担当の津倉徳真氏)ことで、仕事のパフォーマンスを上げたい若い世代の心を捉えた。

企業研修での地道な啓蒙が下地に

 一方、草の根の啓蒙活動も好調の原動力だ。ビジネスでの肌の重要性を認知してもらうため、出張講座を展開。ベンチャーから大手まで、多数の企業が社内研修に取り込んでいる。そうして下地をならし、19年3月に満を持して投入したのが、男性用BBクリーム「ウーノ フェイスカラークリエイター」だ。

 当初は若年層を狙い、雑貨店などで限定販売したが、蓋を開けると40~60代も飛び付き、売り上げは計画比3倍に。男性用化粧品はもはやニッチではないと考え、同年9月に全国へ。12月にはテレビCMを展開。マス攻略へかじを切り、花開いた。