浴室用洗剤の大型新人が「ルックプラス バスタブクレンジング」(ライオン)だ。浴槽に洗剤を吹きかけ、スポンジで“こすらず”洗い流すだけの革新性に消費者が飛び付き、スタートダッシュを果たした。
湯あかのこびり付きの原因の一つは、水道水に含まれるカルシウム。新たに開発した洗浄液はこのカルシウムを除去し、汚れを浮かせるのが特徴だ。さらに、泡で出るタイプが定石のなか、ワンプッシュで従来の2倍の洗浄液がミスト状に出るヘッドを新開発し、広範囲にむらなく噴霧できるようになった。
ラクな“新方式”にCMの焦点を絞る
マーケティング手法も一新。通常であれば、洗浄力のメカニズムをアピールしがちだが、あえて封印。「従来品より洗浄力が高くなっただけと思われては意味がない。浴槽をこすらず洗える、とにかくラクな“新方式”であることに焦点を絞り、テレビCMなどで訴求した」(宮川孝一ブランドマネージャー)。
狙いは的中し、18年9月に発売されるとドラッグストアでの売り上げランキングでトップの“巨人”花王を猛追(True Data調べ)。「掃除に時短を求めるユーザーを新たに開拓し、市場全体の押し上げにも貢献している」(True Dataデータアナリストの山崎貞政氏)。発売後2カ月たっても勢いは衰えず、快進撃は続きそうだ。