発売後60年が過ぎたレトロな商品が、大きなブランド変更などもせずにまさかのV字回復を遂げている。洗濯用の「ウタマロ石けん」だ。昨年の年間売上個数は、10年前の約6倍となる約1200万個にも達した。意外な用途に気づいたことがきっかけだった。

洗濯用「ウタマロ石けん」
1957年の発売時は、洗濯板で衣服を手洗いする洗濯せっけんとして登場。だが、60年代から洗濯機が普及すると、売り上げは年間300万個をピークに漸減し、いずれ消えてなくなるかに思われた。しかし、その後もなぜか100万個をキープ。不思議に思った製造元の東邦が調べると、意外な事実が浮かんだ。「洗濯機洗いでは残ってしまう泥汚れや襟袖の黒ずみがよく落ちると、消費者が部分的な手洗い用に“転用”し、生き残っていた」(東邦の西本武司社長)。
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