日本百貨店協会が2019年3月22日に発表した2月の全国百貨店売上高は約4220億円と前年同月比0.4%増と4カ月ぶりのプラス。株価や為替の安定で前月は苦戦した高額商材が好転し、春節商戦でインバウンドも回復。バレンタイン催事も寄与した。
調査対象の百貨店は全国79社の217店舗。前月より1店舗減少したため、店舗数を調整した数値で示す。顧客別では、売上高の92.4%を占める国内向けは前年同月比0.6%減とわずかに前年割れとなったが、売上高の7.6%となるインバウンドは過去最高の319億円(同14.8%増)を記録して2カ月ぶりにプラスになるなど、全体に明るさが戻ってきた。
地区別では、10都市(札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡)全体で同0.7%増と3カ月ぶりにプラス。札幌(同0.7%増)、仙台(同1.3%増)、名古屋(同3.7%増)、京都(同0.9%増)、大阪(同4.0%増)の5都市で前年を上回った。
10都市以外の地区は同0.5%減と22カ月(1年10カ月)連続で前年同月を下回った。だが前月は同2.5%減だったため、減少幅が2ポイント縮まり、ほぼ前年並みの水準に迫ってきた。北海道(同4.9%増)、東北(同2.0%増)、近畿(同2.6%増)、四国(同7.1%増)、九州(同2.5%増)の5地区で前年同月をクリアしている。
商品別では、国内外の顧客共に好調な化粧品(同9.8%増)が47カ月(3年11カ月)連続でプラスになった他、美術・宝飾・貴金属などの高額品(同2.7%増)といったラグジュアリーブランドなどがけん引し、雑貨も同5.1%増と2カ月ぶりにプラス。身のまわり品も同1.3%増と2カ月ぶりに前年を上回った。
衣料品は同1.1%減だったが、2月後半の気温上昇により春物商材が動きを見せたため、主力の婦人服・洋品(同0.4%増)に限れば4カ月ぶりにプラスになった。
食料品は生鮮食品、総菜の不振で同0.9%減と4カ月連続マイナス。菓子(同0.7%増)とその他食料品(同0.2%増)は前年をクリアした。特に、毎年盛り上がりを見せるバレンタイン商戦は、贈答から自家需要を含め、幅広い世代が楽しめるイベントとして市場拡大している。
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