日本フードサービス協会(JF)が2018年12月25日に発表した外食産業市場動向調査によると、外食産業の11月の売上状況は、前年同月比1.1%増と27カ月(2年3カ月)連続で前年同月を上回った。

同調査は、JF加盟のファーストフード、ファミリーレストラン、パブレストラン/居酒屋、ディナーレストラン、喫茶、その他の6業態合計202事業社3万6567店(11月有効回収事業社/店舗)から集計した(新規店も含む)。業態に関しては経済産業省の商業統計を参考に区分している。
11月は土曜日が4日と少なかったものの、暖かい日が多く、週末の天候にも恵まれたことから客足が堅調だった。しかも金曜日が5日もあったため、飲酒関連のサービス業態にもプラスになった。
11月は2桁減、10カ月連続でマイナスのモスバーガー
全体では好調な外食産業も、大手各社の様子を見ると明暗が分かれている。特に注目はハンバーガーチェーン大手2社の11月の既存店売上高だ。マクドナルド(日本マクドナルドホールディングス)の売上高は同4.1%増と、36カ月(3年)連続で前年同月を上回った。客数は同4.3%増で客単価は同0.2%減だった。11月は過去に人気のあったキャンペーン商品をアレンジした「テキサスバーガー 2018」と「アイダホバーガー 2018」を全国販売したことが売り上げ増に貢献した模様だ。
一方でモスバーガー(モスフードサービス)は深刻だ。売上高は同12.9%減と10カ月連続でマイナスだった。18年8月の食中毒事故の影響で、9月以降は3カ月連続で10%超の大幅減が続いている。客数は同9.9%減で客単価も同3.3%減だった。11月末から順次、東北、北陸、関西でエリア限定商品を投入しているが、全国的な拡販にはつながっていない。
牛丼チェーン大手3社の11月の既存店売上高は2社がプラスで1社がマイナスだった。すき家(ゼンショー)の売上高は同5.0%増で客数は同3.0%増、客単価は同2.0%増だった。松屋(松屋フーズホールディングス)の売上高は2.9%増、客数は同0.4%増で客単価は同2.5%増だった。
吉野家(吉野家ホールディングス)の売上高は同3.0%減、客数は同5.4%減で客単価は2.5%増だった。吉野家は2カ月連続のマイナスとなった。
11月のくら寿司とかっぱ寿司は4カ月ぶりのマイナス
回転寿司チェーン大手3社の11月の既存店売上高は1社が前年同月を上回ったが、2社は下回った。スシロー(スシローグローバルホールディングス)の売上高は同8.6%増、客数は同5.8%増、客単価は同2.7%増だった。
くら寿司(くらコーポレーション)の売上高は同1.7%減、客数は同4.0%減、客単価は同0.2%減だった。かっぱ寿司(カッパ・クリエイト)の売上高は同5.6%減、客数は同5.1%減、客単価は同0.5%減だった。くら寿司、かっぱ寿司は共に7月以来、4カ月ぶりのマイナスだった。
ファミリーレストラン大手3社の11月の既存店売上高は1社がプラス、1社が前年並み、1社がマイナスだった。ガストなどを展開するすかいらーくグループの売上高は同0.7%増、客数は同1.9%増で客単価は同1.2%減だった。ロイヤルホスト(ロイヤルホールディングス)の売上高は同±0%、客数は同4.1%減で客単価は同4.3%増だった。
サイゼリヤは低迷が続く。売上高は同3.1%減と、18年4月から8カ月連続で前年同月を下回っている。客数は同3.4%減だったが、客単価は同0.3%増とやや上向き傾向にある。