2015年オープンの二子玉川 蔦屋家電の立ち上げを行い、若きMD(マーチャンダイザー)として家電ベンチャーや海外のデザイナーズ家電を多く見いだしてきた蔦屋家電エンタープライズの木崎大佑氏。次に見据えるのは、自社ブランドの製品を軸としたSPA(製造小売り)業態、“家電業界のユニクロ”が目標という。


二子玉川 蔦屋家電(東京・世田谷)は、15年のオープン以来、従来とは全く異なる家電店として話題をさらってきました。モノが売れなくなったといわれる時代に、次々とリアル店舗発のヒット製品を生み出している要因は何でしょうか?
木崎 まず言えるのは、蔦屋家電はモノを売るのではなく、理想の新しいライフスタイルそのものを売る店だということです。一般的な家電量販店の売り場は「テレビ」「冷蔵庫」「洗濯機」など製品の種類で分類されていますが、蔦屋家電は「生活提案」分類。美や音楽、食など、ライフスタイルシーンを軸にコーナーを再編集し、例えば食では冷蔵庫やトースター、コーヒーマシン、ミキサーなどテーマに沿ったものを製品の種別を超えて陳列しています。
リビングを模したコーナーでは、エアコンとテレビ、トレーニングマシンを一つの空間に展示。通常の量販店では考えられない売り場づくりですが、蔦屋家電は生活シーンで編集しているから、一緒に売って何も問題ないわけです。18年3月のリニューアル後は、最新家電の紹介だけではなくイベントやワークショップを通じて理想の住まいと暮らしを提案するフロアや、ヘアカラー、ネイルなどのサービスショップとセルフ美容のための家電をつなげた総合的なビューティー提案コーナーを新設するなど、さらに提案力を強化。新たな体験や発見があることが、1日当たり平日1万8000人、土日は2万5000人におよぶ集客、そして、理想の生活に憧れて家電購入につながる源泉になっています。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー