デザイン思考を取り入れて、ビジネスに革新を起こすようなアイデアを生む。高い利益率を実現するため企業をブランディングする。そして、より魅力的な商品やサービスを開発する──。
 企業を改革したり、企業価値を向上させたりするために、今多くの企業がデザインを活用する時代になっている。特に世界で活躍するブランドへと成長するのなら、経営資源としてデザインを位置付けることは欠かせない。
 では、どうすれば創造性の高い企業へと脱皮できるのか。有名なデザイナーを起用すればいいのか、デザイナーを社員として迎え入れればいいのか、自社内でデザイナーを育成するのか、といった人材活用の問題なのか。それとも、デザインに多くの予算を配分するという投資額の問題なのか。
 実はそれ以前の問題として、まず「従来の組織とは異なる組織づくり」こそ必要なのではと語るのが、デザインオフィスnendoの代表佐藤オオキ氏だ。
 設立から17年目で、関連会社を含めて80人という国内でも最大級の規模を誇るデザイン組織に成長したnendo。現在、400というデザインプロジェクトを同時に走らせ、数多くの賞を獲得するなどクオリティーの高いデザインを生み出し続けている。その佐藤氏は、どのような考えで、アイデアを生み出し続ける組織をつくり上げ、デザインプロジェクトを成功に導くチームつくりを行ってきたのか。nendoという組織を成長させ、そして数多くの企業とデザインプロジェクトをしてきた自身の経験から、高い創造性を生み出すための組織のつくり方を語ってもらう。

佐藤 オオキ(さとう・おおき)
nendo代表/デザイナー
1977年、カナダ生まれ。2002年、早稲田大学大学院理工学研究科建築学専攻修了後、nendo東京オフィス設立。2005年、ミラノオフィス設立。2006年、Newsweek誌「世界が尊敬する日本人100人」。2015年、日経ビジネスオンライン「CHANGE MAKER OF THE YEAR」など

 卒業旅行で訪れたミラノサローネに感動し、大学時代の6人の仲間で2002年に立ち上げたデザインオフィスのnendoは、今年で17年目を迎えます。そして現在、メンバーはパートナーを含めて80人を超え、プロダクト、インテリア、建築、ブランディング、映像など多岐にわたる分野で国内外のさまざまなクライアントとお仕事をさせていただいています。

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