デンマーク発のテキスタイルメーカーの製品が、数多くの有名建築に使われ、アディダスなど世界的ブランドにも採用されるなど、人気を集める理由とは? 2019年にカントリーダイレクターに就任した藤本美紗子氏に聞いた。

藤本 美紗子(ふじもと みさこ)氏
クヴァドラジャパン カントリーダイレクター
1985年京都生まれ。2009年立命館大学産業社会学部卒業後、伊藤忠商事入社。14年クヴァドラジャパン入社、19年よりカントリーダイレクター。趣味は漫画を読むこと

クヴァドラとは?

藤本氏 1968年にデンマークのエーベルトフトで創業したテキスタイルメーカーです。ウールとレーヨンを混合した「ハリンダル65」は最初に開発した生地で、デンマークのデザイナー、ナナ・ディッツェル氏が手掛けたロングセラー商品。今も当時と同じノルウェーにある工場で、同じ製法で作っています。

 クヴァドラは、何よりも品質を重視。原料の特性に合わせて、オランダや英国などの工場で生産し、世界中に輸出しています。綿やナイロンと比較して鮮やかで温かみを備えた発色と耐久性があり、美しいエイジングが特徴です。

どんな用途、場所で使われることが多いですか?

クヴァドラの生地は、例えば、フランスにあるルイ・ヴィトンの美術館や、米国のマイクロソフトの本社オフィス、空港などの公共施設でも使われています。売上高の約半分が設計事務所からのオーダーによるもので、建築家やプロダクトデザイナーと一緒に成長してきたような経緯があります。例えば、ロンドンならフォスター・アンド・パートナーズやザハ・ハディド・アーキテクツといった世界的に有名な設計事務所が取引先に名を連ねています。現代表が就任した2000年時点と比べ、売上額は10倍以上に成長。ウール素材の生地だけで、年間200万~300万メートルを生産しています。

世界的な建築家が採用

なぜ世界中で人気なのでしょうか?

やはり、質の高い生地を3500種類も取りそろえているからでしょうか。生地には平織り、あや織り、サテン織りなどがあり、さらにカラーリングや柄、素材の組み合わせがあります。同じ織りでも、ウールとポリエステル、シルクでは表情がまったく異なります。数量によってカスタムメイドにも応じており、難燃性など、国ごとに異なるレギュレーションに対応しています。約30カ国にある拠点では、各国の建築などのレギュレーションに詳しいスタッフが在籍し、用途や条件に合った商品を提案しています。