クラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」を運営するマクアケ(東京・渋谷)が、2019年上半期ヒットプロジェクトランキングを発表した。同社が支援額に基づくランキングを発表するのは初めて。中山亮太郎社長に、ヒット商品の傾向や成功の秘訣を聞いた。

マクアケ社長の中山亮太郎氏
マクアケ社長の中山亮太郎氏

 Makuakeでは電動バイクやアパレル、飲食などさまざまなジャンルのプロジェクトが実施されている。そのため、プロジェクトによって支援金額(単価)は大きく異なる。ランキングでは支援者数(延べ人数)と支援金額の上位10プロジェクトをそれぞれ発表した。

「Makuake」2019年上半期ヒットプロジェクトランキング
「Makuake」2019年上半期ヒットプロジェクトランキング

 支援者数でトップになったのは、サブスクリプションモデルを採用したスマートロック「bitlock LITE」で4851人が支援した(関連記事「スマートロック革命は第2幕へ、ゲームチェンジャー現る」)。従来は買い切り型が中心だったが、サブスクモデルにしたことで、初期導入コストを下げ人気を集めた。

 2位は香港のスタートアップ企業Vinpokによるプロジェクト、薄型ワイヤレスメカニカルキーボード「Taptek」で4003人が支援。支援金額でも2位となり5324万2830円を集めた。プロジェクト実行者が支援者へ最新状況などをアナウンスする活動レポートを通じて、積極的にコミュニケーションを取った。支援者のリクエストに応え、追加でオリジナルキーボードケースを作成し、プロジェクトを活性化させた。

 サイトに掲載されているプロジェクトの約半数は、エンターテインメントやフード、レストランなど“モノ”以外のジャンルで、“体験”を提供するプロジェクトである。唯一“モノ”以外のジャンルでランキングに入ったのは、10位の「トンコハウス映画祭」プロジェクト。トンコハウスは、元ピクサーのアートディレクター堤大介氏とロバート・コンドウ氏が立ち上げたアニメーションスタジオ。この映画祭プロジェクトは、彼らのアニメーションの世界観をより知ってもらうためのもので、支援した人へのリターンに、新作アニメをいち早く鑑賞できるパーティーへの招待や、スタジオのメンバーと一緒にスケッチをするワークショップへの参加が提供された。

元ピクサーのアートディレクター堤大介氏とロバート・コンドウ氏が立ち上げたアニメーションスタジオ「トンコハウス」のプロジェクト「トンコハウス映画祭」
元ピクサーのアートディレクター堤大介氏とロバート・コンドウ氏が立ち上げたアニメーションスタジオ「トンコハウス」のプロジェクト「トンコハウス映画祭」

 一方、支援金額でトップになったのは、家電メーカーライソン(大阪府東大阪市)の家庭用コーヒー豆焙煎(ばいせん)機「ホームロースター」で5428万2000円を集めた。本体価格2万円というコスパの高さとボタン1つで焙煎が行える手軽さが人気の秘訣だ。

 このランキングを基に、最近のヒット商品の傾向や成功の秘訣について、中山氏に話を聞いた。

プロジェクト成功の秘訣は……

ランキングを受けて、最近のトレンドは何か。

 面白いのは「未来」という軸が2つあることだ。1つはアニメやSF映画に出てくるような未来。例えば、(支援者数1位の)スマートロックや空飛ぶドローンだ。最近は、IoT技術が当たり前になり、技術そのものを売りにするのではなく、ユーザー体験を重視した商品が増えてきた。