静岡県三島市にある加和太建設は、土木や建築を事業の柱にしてきた地方ゼネコン。同社が近年、力を入れているのが三島の「街づくり」だ。デザインを活用し、街を盛り上げ、建設業の未来を開こうとしている。

河田亮一(かわだ・りょういち)氏
加和太建設 社長
1977年静岡県三島市生まれ。93年The Colorado Springs School入学。97年Institut auf dem Rosenberg卒業。2002年一橋大学経済学部卒業後、リクルート入社。06年三井住友銀行入社。07年加和太建設入社。15年10月より現職。

──三島の街づくりについて教えてください。

河田亮一氏(以下、河田) 加和太建設は、祖父が創業した建設会社で私で3代目。主に公共や民間の土木、建築を担ってきた地方ゼネコンです。最近は、会社がある静岡県の三島エリアを盛り上げる事業を「ハレノヒ」と名付け、フリーマガジンとマルシェ、シェアサイクルの3事業に取り組んでいます。

 「ハレノヒマガジン」は、三島の魅力的な人や場所などを紹介するフリーマガジンです。マルシェは、2018年11月に「ゼロイチマーケット」という名称で試験的に開催したところ、地元の魅力ある雑貨店や家具店、ソーセージや酒を扱う飲食店など19店舗が出店。2日間で約2600人が訪れました。当日、来場者から「すてきなお店ですね」と声をかけられましたが、その際、「三島にあるショップなんですよ」と紹介しました。質は高いのに地元の人にさえあまり知られず、店内に入らなければその魅力が分からない店もあります。店舗を集めたマルシェをプレゼンテーションの場とし、店ごと活性化させたいと考えています。

──シェアサイクルは?

河田 18年11月、三島市内に約20のステーションを設け、約60台の電動アシスト自転車を配備し、「ハレノヒサイクル」というサービスを開始しました。広告や自治体の公共サービスとしてのシェアサイクルは日本各地にありますが、ハレノヒサイクルは単体で事業として成立させたいと考えています。三島のようなコンパクトな街に、これだけのステーションが密集している事例はあまりありません。フリーマガジンやマルシェで紹介した、店舗や観光スポットといった三島の魅力をつなぐ役割がシェアサイクル。訪れた人にもっと、街を楽しんでもらおうというのがコンセプトです。

三島市内に約20のステーションを設置し、ショップや観光スポットをつなぐ「ハレノヒサイクル」
三島市内に約20のステーションを設置し、ショップや観光スポットをつなぐ「ハレノヒサイクル」

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