コクヨの黒田英邦社長は新しいことを始めるとき、「僕が『やりたい』と言ってしまうと、社員が『どうぞ』となってしまうので、それは避けるようにしている。僕の仕事は、会社をもっといい方向に導いたり、背中を押したりしていくこと」と言います。

 本連載は、「この人の『勘』や『感』の見方を知りたい!」と思った方にお会いし、仕事に「勘」や「感」は必要なのか、そしてどのように磨けばいいのかについて、失敗談も含めて聞いていくものです。それも、難しい書き言葉ではなく、分かりやすい話し言葉で。読者の皆さんにとって、未来に向けたヒントになれば幸いです。

 今回は、コクヨの社長を務める黒田英邦さんにご登場いただきました。家業を受け継ぐ5代目として社長になったのは2015年、39歳のとき。以来、文房具を扱うコクヨS&Tとオフィス家具を扱うコクヨファニチャーの統合、品川オフィスの移転をはじめ、さまざまな改革を行ってきました。

 ご縁を得たのは、コクヨデザインアワードの審査委員をやらせていただいたこと。かれこれ10年ほど前に遡ります。社長になられてから、社員や会社のことで思い悩んでいる英邦さん(社内で“英邦さん”と呼ばれていることから、私もそう呼ばせていただきます)とお会いする機会が何度かあり、生意気にも「いい人過ぎる!」と感じることもありましたが、社長就任から4年の歳月を振り返ると、企業のありようも英邦さんの度量も、太く強くなっている気がしました。

 そこで、会社を率いてきた感性と勘所を聞いてみることにしました。

自分事としてとらえる社員を増やすのが僕の仕事

川島 最初からずばり聞きます。新しいことを始めるタイミングをどう計っているのですか。

黒田英邦社長(以下、黒田) 僕が「やりたい」と言ってしまうと、社員が「どうぞ」となってしまうので、それは避けるようにしています。僕の仕事は、会社をもっといい方向に導いたり、背中を押したりしていくことですから。

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