ソニーのデザイン部門を指揮する長谷川豊氏は「うちのデザイナーが担う役割は、ソニーが持っている技術をどのように編集して翻訳するかということ。どの技術をどのように盛り込み、それをユーザーにどう翻訳して伝えていくか」と言います。
本連載は、「この人の『勘』や『感』の見方を知りたい!」と思った方にお会いし、仕事に勘や感は必要なのか、どのように磨けばいいのかについて、成功談も失敗談も含めて聞いていくものです。それも、難しい書き言葉ではなく、分かりやすい話し言葉で。読者の皆さんにとって、未来に向けたヒントになれば幸いです。
今回は、ソニーのVP(バイスプレジデント)でクリエイティブセンターのセンター長である長谷川豊さんにご登場いただきました。ソニーと言えば、かつてはシャープな勘と感を持ち、世界に向けて新しいこと、面白いことを発信する企業。私の中では仰ぎ見ている存在の1つでした。それが海外勢に押され、少し元気がなくなっているのではと勝手に心配していたのです。
ところが最近、派手ではないものの、デザインが前に立った元気な動きが出てきています。例えば、ソニー創業70周年を記念して出版した書籍「Sony Design: MAKING MODERN」や、世界のデザインが一堂に会するミラノデザインウィークへの出展など。デザインを経営資源として大事にしていること、それを世界に向けて発信していることが伝わってきます。クリエイティブセンターの活動を知りたくなり、長谷川さんに話を聞きに行きました。
社内デザイナーだけでミラノデザインウィーク出展
川島 毎年4月に開催されるミラノサローネの取材を毎年続けていますが、「ミラノデザインウィーク 2019」のソニーは魅力的でした。大半の日本企業が外部のクリエイターを立てている中、ソニーは全部自力でやっていたし、その内容が分かりやすく、面白かったのです。
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