ストライプインターナショナルの石川康晴社長は変わった人と話すのが大好きだという。「異業種の人たちと会って、自分が面白いと感じたことをやってみる。それを重ねてきただけ」。
本連載は、「この人の『勘』や『感』の見方を知りたい!」と思った方にお会いし、仕事に勘や感は必要か、どのように磨けばいいのかについて、成功談も失敗談も含めて聞いていくものです。それも、難しい書き言葉ではなく、分かりやすい話し言葉で。読者の皆さんにとって、未来に向けたヒントになれば幸いです。
今回はストライプインターナショナルの石川康晴社長との対談の4回目です。同社は、ファッションブランド「earth music&ecology(アースミュージック&エコロジー)」をはじめ、飲食やホテルなど幅広い事業を展開しています。
前回はリアル店舗の顧客をECにつなげるオムニチャネル戦略によって、顧客1人当たりの売り上げが約5倍に伸びたこと、デジタル戦略についてファッション業界が遅れていること、1兆円規模に成長して影響力のある企業を目指していることなど、頼もしい話を伺いました。
最終回である今回は、あらゆる領域の人たちと会って話すことが「感」と「勘」を磨くことにつながるという石川さんに、社長としての役目と後継者について聞きました。
川島 まだまだ若くて良い意味で野心満々の石川さんを見ていると、後継者についてどう考えているのか、つい聞いてみたくなります。
石川 後継者問題はとっくに考えていて、候補生を育てています。僕は、会社のトップになる人間は、経営企画もマーケティングも営業も財務も全部をみた経験がある人でなくてはならないと思っています。ですので、何人かに事業会社の社長を任せています。
川島 その中に、これはいけるという人がいますか。
石川 若手にやらせてみる、任せてみるということを積極的にやっています。ある事業会社の社長に抜てきした人間は、自分がやってこなかった領域も含めて奮闘し、この4年間で会社の規模を2倍にしました。
川島 なるほど。石川さんの経歴を見ると、どこかの企業で経営を学んだわけじゃなく、いきなり23歳で起業していて、これも若い。
石川 自分はもともとデザインやマーケティングが好きで事業戦略に興味を持ち、大学院でファイナンスを学んだりして、双方のバランスを持つようになった。変わった人と話すのが大好きで、異業種の人たちと会って、自分が面白いと感じたことをやってみる。それを重ねてきただけです。
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