トヨタ自動車が2022年をめどに発売を予定している超小型電気自動車(EV)「C+pod」。全長2490ミリメートルと、軽自動車規格(全長3400ミリメートル)より短い、2人乗りのかわいいクルマだ。どんな用途に適しているのか。横浜市内のレンタルサービス「C+podヨコハマ」を利用して考えてみた。

神奈川県オールトヨタ販売店とトヨタレンタリース神奈川、トヨタレンタリース横浜が運営中のショートタイムレンタカーサービスで使われるC+pod
神奈川県オールトヨタ販売店とトヨタレンタリース神奈川、トヨタレンタリース横浜が運営中のショートタイムレンタカーサービスで使われるC+pod

 「C+pod(シーポッド、『+』は正確には上付き)」は、トヨタ自動車が次世代のシティコミューターとして2019年10月に「東京モーターショー2019」で発表した小型EVだ。市販は22年からの予定だが、それに先駆け20年末から、EVに関心の高い法人や自治体向けに限定販売を行っている。

 C+podの特徴は、圧倒的な小ささだ。ボディーサイズは全長2490×全幅1290ミリメートルで、軽自動車規格(全長3400×全幅1480ミリメートル)より小さい。プリウス1台分の駐車スペースがあれば、横置きで2台が収まるという。2人乗りで後席はなく、コンパクトな荷室が備わっている。

ドイツ・スマートの「スマート・フォーツー」よりも一回り小さい。全高は1550ミリメートルで、一般的な乗用車に近い(写真提供/トヨタ自動車)
ドイツ・スマートの「スマート・フォーツー」よりも一回り小さい。全高は1550ミリメートルで、一般的な乗用車に近い(写真提供/トヨタ自動車)
荷室にはあまり奥行きが無いが、かばん程度は入れられる(写真提供/トヨタ自動車)
荷室にはあまり奥行きが無いが、かばん程度は入れられる(写真提供/トヨタ自動車)

 小さくシンプルにつくられている主な理由は、エネルギーの有効活用と価格低減だ。車両重量が軽くなれば、コストの高い電池の容量を抑えても、ある程度の航続距離を確保できる。実際、C+podの販売予定価格は165万円(税込み)からと、日産自動車「リーフ」(税込み332万6400円から)などの既存国産EVより安価で、満充電時の航続距離は、150キロメートル(WLTCモード)だ。充電は普通充電のみで、急速充電には非対応。ほぼ空の状態からフル充電までは200ボルト充電で約5時間かかる。家庭用100ボルト電源にも対応しており、その場合はフル充電に16時間かかる。一方で、最高速度は60kmにとどまり、高速道路などを走行することはできない。かわいい車体は魅力だが、実用的と言えるのか実際に試してみたいと思っていた。

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