厳しい暑さのまっただ中だが、鍋スープ用調味料の市場は秋冬商戦に向けて既に動き出している。食品スーパーのバイヤーから熱い視線を浴びているのが、味の素「鍋キューブ」シリーズの新商品。おでん具材で不動の人気を誇る大根を、30分を切るスピードでだしが染みた状態に仕上げられるという。

 おでんのだしが染みた大根はおいしい。

 最高気温35度以上の猛暑日も珍しくない厳しい暑さが続くが、鍋スープ用調味料の市場は秋冬商戦に向けて既に動き出している。現在、食品スーパーのバイヤーから熱い視線を浴びているのが、2021年8月6日に味の素が発売した「鍋キューブ おでん本舗<あごだし醤油>」(実勢価格は税込み324円)だ。

 鍋キューブは鍋つゆの素を1個1人前のキューブ形にしたもので、12年から販売する人気商品だ。使う量を食べる人の数に合わせられ、液体タイプで起こりやすい液だれの心配もないという簡易性が受け、発売当時、大ヒットを記録した。鶏だし・うま塩、濃厚白湯、うま辛キムチ・・・・・・。今回のおでん本舗<あごだし醤油>は、レギュラー展開として7種類目の味となる。

 これまでとの大きな違いは、ある食材の調理にかかる時間の大幅な短縮を打ち出した点。そのターゲットは、おでん具材で不動の人気を誇る大根だ。

秋を迎えて冷たい風が吹くようになれば、きっと食べたくなるおでん。鍋キューブ おでん本舗<あごだし醤油>は、人気具材の大根にフォーカスを絞った(写真提供/味の素)
秋を迎えて冷たい風が吹くようになれば、きっと食べたくなるおでん。鍋キューブ おでん本舗<あごだし醤油>は、人気具材の大根にフォーカスを絞った(写真提供/味の素)

 おでんだしを大根に染み込ませるには、一般的に40~60分程度かかる。一方、おでん本舗<あごだし醤油>では25分程度で済む。「仕事が忙しい」「好物の大根を含めて2、3の具材だけを一人で手軽に食べたい」など、調理を手早く済ませたい現代ニーズに応える。

 食品スーパーのバイヤーは、「時短を打ち出した鍋用調味料はこれまでに無かった」として期待をかけている。販路は食品スーパーやドラッグストアなど。味の素は調理時間の大幅な短縮を、テレビCMや店頭のPOPで消費者に訴求していく考えだ。

 調理時間を従来の半分に抑えられるというが、どこまで期待していいのか。おでん本舗<あごだし醤油>を使って調理した。この新商品を開発した味の素調味料事業部メニュー調味料グループの梶敬(たかし)氏によると、「最短25分に抑えるには、最初に電子レンジで5分加熱する必要がある」。その工程を済ませた大根と、おでん本舗<あごだし醤油>を鍋に入れて20分煮込んだところ、確かに、大根の中は軟らかい食感で、だしは「染み染み」と表現したくなるほど満足いく染み具合だった。

 一方で気になったのは、その軟らかい内側に比べれば表面はやや堅かった点と、電子レンジによる加熱を終えた段階で、大根が一回りほど小さくなった点。梶氏は「電子レンジのワット数や加熱時間は、大きくて肉質が軟らかく、甘みがある冬大根を使うことを念頭に置いて設定した」と説明する。夏大根を使ったり、電子レンジで加熱する量が少なかったりする場合は、それらの設定を控えめにするといいだろう。

大根を2センチメートル程度の厚さに切って調理した。30分もかけていないのに、だしがよく染みていたのには驚く
大根を2センチメートル程度の厚さに切って調理した。30分もかけていないのに、だしがよく染みていたのには驚く

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