2020年からプラントベース(植物由来)フードへの注目度が高まってきている。代表格は大豆肉で、本格的なブーム到来だ。そうした流れの中、キユーピーが業務用として、プラントベースの“スクランブルエッグ”を投入した。

卵を使っていないのにスクランブルエッグ風に仕上がっている、キユーピーの「HOBOTAMA」
卵を使っていないのにスクランブルエッグ風に仕上がっている、キユーピーの「HOBOTAMA」

 2021年6月、キユーピーが発表したある商品が注目を浴びた。同年6月下旬から全国に出荷するとアナウンスされたその商品は業務用。しかし当のキユーピーが「想像以上で驚いた」と表現するほど敏感に反応したのは、卵アレルギーに悩まされる消費者たちだった。

 そう、ある商品の正体は、卵を使わずにスクランブルエッグを再現したプラントベースの加工食品。名前を「HOBOTAMA(ほぼたま)」という。20年から大豆などを使ったプラントベースの「植物肉」が本格的なブームになり、その流れが食卓への登場頻度が高い卵に押し寄せた格好となる。

 想定されている販路はホテルや飲食店、学校・事業所の給食用などで、東京オリンピック・パラリンピックのために来日した関係者を迎え入れるハイクラスのホテルが既に採用した。消費者にもっと身近な販路としてはファストフードチェーン店があり、キユーピーから提供されたサンプルを使って、メニュー開発をこれから進めていくとみられる。気軽に口にできる機会は、まだ少し先の話になりそうだ。

 まずは、気になる味について実際に食べて確認した。皿に盛り付けた見た目は鮮やかな黄色で、とろっとした質感は半熟のスクランブルエッグに近い。「卵で作ったものではない」と気づく人はまずいないだろう。この感想は口に含んだ食感も同じだ。

 一方で鼻に近付けても香りはせず、味はかすかな甘みを舌に感じた程度だった。塩やケチャップで味付けしたり、パンに挟むなど何かと一緒に食べたりすれば、スクランブルエッグの置き換えになり得るという印象だ。

見た目や食感は本物のスクランブルエッグに近い
見た目や食感は本物のスクランブルエッグに近い

 キユーピーのグループ会社、キユーピータマゴの開発本部新領域創造部に所属し、HOBOTAMAの開発に携わった梶聡美氏によれば、原料は豆乳をベースにしているとのこと。製法の詳細については明かさないものの、見た目と食感の再現が開発の肝だったという。開発のスタート時点でイメージしていたのは、梶氏が数年前に旅行で訪れた京都で味わった湯葉丼だ。「当時、とろとろの湯葉がスクランブルエッグの質感に似ていると思い、湯葉と同じように作れば上手に再現できるかもしれないという感想を抱いた」(梶氏)

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