全国のイオン系列店の水産物売り場に、小さなキューブの形をした謎の加工食品が登場した。聞けば、魚が使われているという。一体、どんな商品なのか。
2021年5月、イオングループが魚を使ったユニークな加工食品を発売。イオンリテールの販売量は計画比1.5倍と、好調なスタートを切っている。
見た目から既に斬新と言っていいだろう。水産物売り場の冷凍コーナーに並ぶ「トップバリュ パパッとできるお魚おかず」シリーズは、来店客の興味を引く。形はほぼひと口サイズのキューブ形で、商品パッケージに12個が整然と納まっている。キューブ全体が真っ白ということもあって、単体で見れば素材が魚とは分からない。
この商品は5種類のラインアップで、それぞれにサーモン、アジ、サバ、タラ、ブリが使われている。すべて骨抜き済みだ。開発したイオントップバリュ商品開発本部の天野雄一郎氏によると、料理の簡便性において新機軸を打ち出した商品だという。
そのぶん、消費者に対しては丁寧な説明が求められる。売り場にはPOP広告や、調理例を紹介した動画を流すモニターを設置するようにしている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で試食販売は実施していないうえ、「骨取りなどの下処理加工をしているため、価格は切り身に比べれば割高になる」(天野氏)。しかし販売量は、毎週、前週比15パーセントずつ伸びている状況だ。特に主要都市部での反応がいい。
この商品はどんなものなのか、記者が食べてみた。試食したのは一番人気のサーモンと、サバ。多めの油を使って揚げ焼きしたり、煮魚風にしたりした。揚げ焼きは表面がかりっと、中はふっくらだった。日ごろ食べている魚と大差は無い印象。同じ大きさの切り身を食べたときと異なり、口の中での身の崩れ方に多少の違いがあることに気づいた程度だ。一方、魚の皮の部分も入っているためか、煮魚風は皮特有の風味も感じられた。気になる人は濃い味付けにするといいだろう。
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