美術ファンとアーティストが交流できるアプリ「ArtSticker(アートスティッカー)」が好調だ。アート作品を知って、展覧会のチケットを取る、作品を買うといったことがワンストップででき、さらにアーティストを少額から応援するという機能もある。
美術展チケットのネット購入やオンラインギャラリーでの作品鑑賞など、アートの世界にもオンライン化の波が押し寄せている。そんな中、アーティストと美術ファンが交流できるアプリ「ArtSticker(アートスティッカー)」(The Chain Museum)の会員数が前年比300%となり、勢いを増している。
2018年に始まったArtStickerは、アートのオンラインギャラリーと、そこにある作品をオンラインで買える機能がある。アプリには様々な作品がカテゴリー別や作家別に並んでおり、作品を購入するには至らなくても、アーティストの制作活動を応援できるのがポイントだ。「スティッカー」を120円から購入し、それをアーティストに提供するという仕組み。スティッカーと共にコメントを送ると、アーティストから返信が来ることも多く、交流できるのも魅力だ。
また、19年9月からチケット販売の仕組みを導入。アプリのトップ画面にはお薦めの展覧会やイベントが紹介されており、チケットマークが付いているものはそのまま購入できる。
気に入ったアート作品を見た人が、同じ作家の他の作品を見る、出展される展覧会に行く、購入できる作品を探す…など、このアプリを活用することでアートを身近に感じるための様々なアクションにつながっていく。
ArtStickerを運営するThe Chain Museum(ザ・チェーン・ミュージアム)のプロデューサー・田中潤氏は、「アプリで行きたい展覧会を見つけても、チケット販売サイトにログインして購入する仕組みだと、購入にたどり着く前に離脱してしまう傾向がある」と言う。ArtStickerのアプリ内では、イベント情報からすぐにチケットが購入でき、チケットはアプリ内に保管できる。購入や保管手続きが分かりやすい。
例えば国際芸術祭「東京ビエンナーレ2020/2021」(21年7月10日~9月5日開催)は、チケット購入に加えて、特別鑑賞体験のチケット購入も可能。展覧会「グラフィックトライアル2020 -Baton-」(21年4月24日~8月1日開催)はチケット購入はできないが、音声ガイドをダウンロードできる。
アートを日常的に触れるための面倒な作業が省力化され、ワンストップでアートに触れられるようになったことで、会員数が急増し始めた。
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