赤ちょうちんに千社札、雷門、雷おこし、天ぷら、すき焼き――。2021年6月4日オープンの「ユニクロ浅草」は、そうした東京・浅草の名物とのコラボを数多く取り入れた。インバウンドを含む観光客狙いから、地域に密着する戦略にかじを切り、コロナ禍で苦戦が続く地元企業との共存共栄を目指す。
東京・浅草のシンボルと言えば浅草寺雷門の赤い大ちょうちん。それを想起させる大きな赤ちょうちんを目印にしたのが、2021年6月4日にオープンする「ユニクロ浅草」(東京・台東)だ。出店するのは浅草寺の西側にある歓楽街「浅草六区」のエリア。東京楽天地浅草ビルの1、2階に入る。インバウンド客を狙った観光商業施設「まるごとにっぽん」が20年11月に閉館し、リニューアルの目玉とした。
これまで浅草エリアにはユニクロが2店舗あった。新店はそれらを集約し、大型店として再スタートを切る。売り場面積は約2000平方メートルで、集約前の総面積より少し拡大。1階にウィメンズ、2階にメンズとキッズ、ベビーフロアを設ける。
ユニクロを運営するファーストリテイリングによると、「これまでの2店舗は小規模で品ぞろえが少なく、どちらも入り口が商業施設内にあった。新店は1階に入り口があるため、お客さまの動線を確保しやすい。ガラス張りで視認性も良いため、認知されやすいと考えた」と移転の理由を明かす。
都内屈指の観光地である台東区の浅草では、観光客がコロナ禍で激減している。ユニクロも店舗集約前は売り上げの多くを観光客に依存していたが、今は同じ戦い方ができない。そこで地域密着型にかじを切り、ターゲットの軸足を地元住民にシフトしたのだ。
ユニクロ浅草の店長を務める田島優太氏は、集約前の2店舗を統括していた。「浅草は伝統的であり観光地でもある稀有な街。人情に厚い人が多いので、人や地域とのつながりを意識した店舗を目指している」(田島氏)
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