中心価格が300円の雑貨店「3COINS」は、実は3カ月前から食品シリーズ「ごはんもん」の取り扱いを始めている。キッチン雑貨などとの併せ買いや、ついで買いを狙った新たな挑戦だ。ターゲット層を冷静に見極め、あえてコロナ禍にスタートしたビジネスの芽が出始めている。人気商品の顔ぶれから、売れるキーワードが見えてきた。

2021年3月19日にオープンした「3COINS+plus アトレ大井町店」(東京・品川)には、ごはんもんの棚が置かれ、ビジュアルパネルが掲げられている
2021年3月19日にオープンした「3COINS+plus アトレ大井町店」(東京・品川)には、ごはんもんの棚が置かれ、ビジュアルパネルが掲げられている

 300円アイテムを中心に商品展開する雑貨店「3COINS(スリーコインズ)」。実用的でありながら、デザイン性も重視したキッチン用品やバッグ、アクセサリーなどが若い女性を中心に人気を得ている。最近では、鍋料理やロールキャベツが電子レンジだけで作れる「ビストロヌードル」(税込み330円)が大ヒット。完成した鍋の蓋を取った後の写真がSNS映えすることから、品切れする店舗が続出している。

 その3COINSが、大型店舗である「3COINS+plus(スリーコインズプラス)」などで、食品シリーズ「ごはんもん」の取り扱いを2020年12月にスタートした。扱うのは、ごはんに合いそうな調味料やドレッシング、菓子など日本各地で開発された約90商品。バイヤーが数百種類を食べ比べた中から厳選した。食品をメインに扱うのは、3COINSでは初の試みだ。

 そもそもコロナ禍に新しいブランドを立ち上げたのには理由がある。実は巣ごもり需要で、主力のキッチン雑貨の売れ行きがコロナ前の2倍に激増。食品を扱いたいという話が以前から挙がっていたこともあり、この機に乗じて二の矢を繰り出すことにしたのだ。

 ごはんもんのバイヤーである升川拓氏は、「3COINSのメインターゲットは情報感度の高い30代女性であるため、注目されるタイミングにあえて勝負を仕掛けました。キッチン雑貨と食べ物のセットはSNS映えするので、『3COINSには食べ物もある』というイメージを一気に拡散できると踏みました。300円の価格帯には固執せず、おいしさを優先して700円台や800円台の商品もあります」。

 雑貨店で売る食品には、どんな人気の傾向があるのだろうか。販売スタートから約3カ月。これまでの売り上げ上位の商品を聞いた。

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