パワーアップバンドを装着して“リアルマリオ”になれる

 このテーマパークの最大の売りは、“リアルマリオ”になれること。エリア内で購入できる「パワーアップバンド」と呼ばれるリストバンドを腕に装着すると、手持ちのスマホにダウンロードしたUSJ公式アプリと連係させられる。

 連係するとどうなるのか? エリア内にあるハテナブロックをマリオさながらに跳び上がってたたくと、アプリ内にコインがたまる仕組みとなっている。

ジャンプしてハテナブロックをたたくと、「チャリーン」とゲーム音が鳴り、ピカピカと光る。筆者自身は小学生時代のファミコン以降、すっかりマリオとご無沙汰だが、「あのブロックはこんな大きさだったのか」と思いを馳せた
ジャンプしてハテナブロックをたたくと、「チャリーン」とゲーム音が鳴り、ピカピカと光る。筆者自身は小学生時代のファミコン以降、すっかりマリオとご無沙汰だが、「あのブロックはこんな大きさだったのか」と思いを馳せた
パワーアップバンドとアプリを連係。アプリの画面上はもちろん、パーク内のモニターでも確認できる
パワーアップバンドとアプリを連係。アプリの画面上はもちろん、パーク内のモニターでも確認できる

 施設内にあるアトラクションはすべてパワーアップバンドと連動し、随所でコインを獲得できる。たまったコインはアプリや施設内のモニターで確認。全プレイヤーのランキングや、チームごとの結果も分かり、一緒に行った友達や家族とコインの数を競ったり、キャラクターのスタンプを集めたりすることができる。競争というゲームの醍醐味を、リアルの世界と連動して楽しめる仕掛けが施されているわけだ。

 アプリ内のマップではパワーアップバンドを持つ“仲間”や自分の位置も確認でき、ゲームの世界への没入感を一層高める。パワーアップバンドは有料(税込み3200円)だが、これがないと楽しさが半減するため、購入する人が増えそうだ。

 パワーアップバンドがあると、「パワーアップバンド・キーチャレンジ」にも参加できる。エリア内にある「鍵」のマークがあるアクティビティーに挑戦し、攻略すると“鍵”を獲得。この鍵を3つ集めるとボスバトル「クッパJr.ファイナルバトル」に挑める。これは、大型のスクリーンに投影された自身のシルエットで戦う最新鋭のゲーム。来訪者がパワーアップバンドを購入する動機付けの仕掛けが、色々と用意されているのだ。

パワーアップバンド・キーチャレンジは、「タイミング良く『POWブロック』をたたいてノコノコを倒す」「パックンフラワーが寝ている間に12個の目覚まし時計を止める」など、いずれも体を使ったアクティビティー
パワーアップバンド・キーチャレンジは、「タイミング良く『POWブロック』をたたいてノコノコを倒す」「パックンフラワーが寝ている間に12個の目覚まし時計を止める」など、いずれも体を使ったアクティビティー
3つの鍵をそろえてボスバトルに挑戦。クッパJr.の隠れ家へ突入し、スクリーン上で空から降ってくるボム兵に対して腕を振ってはじき飛ばしたり、左右から飛んでくるキラーをしゃがんで避けたりしながら、全身を使ってスクリーン上のクッパJr.と戦う。獲得したファイアフラワーを放つと熱風が吹き、臨場感もたっぷり
3つの鍵をそろえてボスバトルに挑戦。クッパJr.の隠れ家へ突入し、スクリーン上で空から降ってくるボム兵に対して腕を振ってはじき飛ばしたり、左右から飛んでくるキラーをしゃがんで避けたりしながら、全身を使ってスクリーン上のクッパJr.と戦う。獲得したファイアフラワーを放つと熱風が吹き、臨場感もたっぷり

 ゲームとリアルの世界を融合し、実際に体を使ってゲームの中の“一員”になれるという遊びは、これまでのテーマパークには無い画期的な試みだ。バーチャルの世界をリアルに体験できることで、ゲームの世界観はいっそう豊かに広がっていく。マリオの世界に興味が無かった人たちも、新エリアを通してマリオたちキャラクターに愛着を持つだろう。幅広い世代に任天堂のゲームの世界観やキャラクターを訴求するという効果もありそうだ。

AR技術を駆使したマリオカートでゲームの中の世界へ

 気になるライドアトラクションは2つ。目玉はクッパ城の中にある「マリオカート~クッパの挑戦状~」。これまで1億5000万本以上を売り上げた人気ゲーム「マリオカート」を再現したものだ。

マリオカート~クッパの挑戦状~
マリオカート~クッパの挑戦状~
クッパ城外観。この中に、マリオカートのライドアトラクションがある
クッパ城外観。この中に、マリオカートのライドアトラクションがある

 専用のマリオヘッドバンドにAR装置の付いたゴーグルセットを装着。4人乗りのライドに乗り込み、“リアルマリオ”になって駆け抜ける。AR技術を駆使したゴーグルにはプロジェクションマッピングや仮想現実の映像が映し出され、視点を変えるとその映像も変わるという最新のテクノロジーが活用されている。標的を攻略することで、またコインを獲得。ゲームの中でしか味わえなかったマリオカートを体感できる。

 もう一つは、パーク内で最も低い基準の身長86センチメートルから乗車可能のファミリー向けライド「ヨッシー・アドベンチャー」だ。

ヨッシー・アドベンチャー
ヨッシー・アドベンチャー
ヨッシー・アドベンチャーの入り口と、乗車中の景色
ヨッシー・アドベンチャーの入り口と、乗車中の景色

 山本氏は、「USJは比較的スリリングなアトラクションが多く、若い世代の比重が高かったが、新エリアでは等身大のマリオになれる体験を提供することで幅広い世代の人が思い切り楽しめる場所にしたい」と思いを語る。

 「新しいテクノロジーを融合し、新次元の楽しさを取り入れることでUSJとしてもワンランク上のステージの遊びを提供できた。東京ディズニーランドが“夢の国”なら、USJは“目覚めの国”。圧倒的な刺激を与えることで日本中を元気にしたい」(山本氏)

マーケティングコミュニケーション部長の山本歩氏
マーケティングコミュニケーション部長の山本歩氏
レストランもマリオの世界観。ゲームに登場するアイテムがあちこちにある
レストランもマリオの世界観。ゲームに登場するアイテムがあちこちにある

 21年で開業20周年となるUSJのブランドスローガンは「NO LIMIT!」。これまでの常識を超越し、限界を超えることで新たな遊びを提供することができるのか。この「スーパー・ニンテンドー・ワールド」が、パーク全体の起爆剤となりそうだ。

(写真/水野 浩志)


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