ディスカウントストアのドン・キホーテが、自社ブランドからランニングシューズ「ファールラン」を発売した。ドンキにしてはやや高い8000円台の価格設定だが、規格外の超厚底かつ高い機能性を打ち出し、初回生産分が無くなりつつある。ナイキの人気シリーズ「ヴェイパーフライ」に、コスパで勝負を挑む。
ディスカウントストア大手のドン・キホーテ(以下、ドンキ)は、家電や生活雑貨などの分野で、様々なプライベートブランド(PB)を展開している。最近では、スポーツのブランド「アクティブギア」で意外な商品がヒットした。心拍センサーを搭載したスマートウォッチ「ライフロガー」(税込み4378円)だ。大手メーカーでは1万円を超える商品でも、ドンキが手掛けると半額以下が当たり前。コストパフォーマンスの良さがウケている。
2021年2月19日、ドンキは同ブランドからランニングシューズ「ファールラン」を全国の一部店舗で発売した。価格は税込み8789円。既存シューズの大半が1000~5000円程度のドンキにとって、やや挑戦的な価格設定だ。商品を企画したPB企画開発部の小溝彩希子氏は、「性能を落とさず価格を抑えた高機能ランニングシューズは社外にも無かったので、商品ラインアップを広げるためにも挑戦した」と語る。
ターゲットはランニングの初心者。ランナーに人気のカーボンプレート搭載シューズ「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」は、約3万円(税込み)と気軽には手が出しにくい。その3分の1以下の価格で、お試し購入を狙った。
開発の目玉にしたのはソールだ。ランニングシューズのソールの厚さは、陸上競技を統括するワールドアスレティックス(世界陸連)が40ミリメートル以下と定める。この規格にあえて従わず、52ミリの超厚底に仕上げた。クッション性の高いソールは足の負担を軽減するため、足の筋力がまだ十分に付いていないランニング初心者に向く。公式大会には参加できないが、走りやすさに重きを置いた。
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