話した言葉がAI(人工知能)でテキストに自動変換される“AIボイスレコーダー”こと「AutoMemo(オートメモ)」(ソースネクスト)。会議や打ち合わせの議事録としてどれほど使えるのか。実際に試してみた。

2020年12月に発売。サイズ約130×41×12ミリメートル。重さ約86グラム
2020年12月に発売。サイズ約130×41×12ミリメートル。重さ約86グラム

 録音した会議の音声を何度も聞き返しながら、キーボードで文字を打ち込んで議事録を作成する——。こうした作業の手助けになりそうなのが、話した言葉が文字になる“AIボイスレコーダー”こと「AutoMemo(オートメモ)」(ソースネクスト)だ。

 基本的な操作は本体の録音ボタンを押すだけ。記録した音声データは録音終了後にクラウドへ送信され、AI音声認識エンジンでテキスト変換されたものをスマホの専用アプリやメールで確認できる仕組みだ。なお、一般的なICレコーダーとは異なり、録音した音声は本体で再生できない。クラウド経由でスマホアプリ、もしくはパソコンで録音データを再生することになる。

 開発のきっかけは、日経トレンディの「2018年ヒット商品ベスト30」 の24位にも入ったソースネクストの「ポケトーク」。話しかけるだけで世界各国の言葉に翻訳できる機器だが、「自分の言葉がテキスト化されるステップで、その精度の高さに驚く人が意外にも多いことが新たな商品化のヒントになった」(ソースネクスト技術戦略室の川竹一氏)。

 ただ、現在のAutoMemoの形に行き着くまでには様々な試行錯誤があった。当初は、例えば据え置き型のスマートスピーカーのような機能や会議を録音して議事録を作成できる機能など、「音声認識の価値を生かす多くのアイデアを盛り込んだが、欲張りすぎたのかうまくいかなかった」(川竹氏)。機能を多くした半面、商品の特徴を一言で説明できないというジレンマにも陥ったという。

 そこで「話した言葉が文字になる価値を生かす」という原点に立ち返リ、機能を徹底的にそぎ落としてシンプル化。最終的にAIボイスレコーダーというコンセプトに行き着いたことで商品の立ち位置が明確になり、理解や説明がしやすくなった。

バッテリーは充電式。8GBのメモリーを搭載し、最大で約5.5時間の連続録音が可能。マイク端子も用意されており、外部機器からの音声取り込みもできる。本体上部にはマイクを内蔵している
バッテリーは充電式。8GBのメモリーを搭載し、最大で約5.5時間の連続録音が可能。マイク端子も用意されており、外部機器からの音声取り込みもできる。本体上部にはマイクを内蔵している

 ポケトークのヒットから生まれた商品がもう一つある。それがAutoMemoと並行して開発が進められていた「ポケトークmimi」や「タブレットmimi」だ。同社が“AI筆談機”と呼ぶ難聴者向けの商品で、話しかけた言葉をテキスト化したものが本体のディスプレーに瞬時に表示される。「ポケトークを日本語から日本語に“翻訳”して使っているという人が多いことがユーザーアンケートを通して判明。そうしたニーズに合致する音声認識技術を活用した商品を開発した」(ソースネクスト製品企画グループ責任者の柳沼友香氏)。筆談はリアルタイムのコミュニケーションが必要になるため、ポケトークmimiはモバイル通信ができるSIM機能を内蔵しており、クラウド上にあるAI機能をいつでも使えるようになっている。

 今回取り上げたAutoMemoは、そうしたモバイル通信機能を省略。録音後に無線LANでクラウドのサーバーと接続し、音声データをテキスト変換する仕組みだ。クラウド上の音声認識エンジンは、現時点ではGoogleの変換エンジンをソースネクストが独自にカスタマイズしたものを利用している。

 AutoMemoの実勢価格は約1万8000円(税込み)だが、音声のテキスト化には3種類の料金体系を用意している。本体購入時は毎月1時間までの録音データをテキスト化できる無料の「ベーシックプラン」だが、1回980円(税込み)を支払えば10時間分のチャージが可能。また、月額980円(税込み)で毎月30時間まで使える「プレミアムプラン」もある。

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