レトルトカレーをカップに入れられないか――。そんな小さいようで大きな挑戦に約3年を費やし、ついに商品化を果たしたのが、ハウス食品が2021年2月8日に発売した「やさしく夜遅カレー」だ。加熱・加圧しても壊れないカップ選びと、カレーらしい中身の両立という課題をクリア。レトルトカレーの“空白地帯”である20~30代女性を狙い撃ちする。

ハウス食品の新製品「やさしく夜遅カレー」。「濃厚あめ色玉ねぎ&ブイヨン」(写真左)と「まろやか完熟トマト&5種の野菜」(同右)の2種類。実勢価格268円(税込み)。関東の一部のコンビニエンスストアとLOHACOなどのECサイトで購入できる
ハウス食品の新製品「やさしく夜遅カレー」。「濃厚あめ色玉ねぎ&ブイヨン」(写真左)と「まろやか完熟トマト&5種の野菜」(同右)の2種類。実勢価格268円(税込み)。関東の一部のコンビニエンスストアとLOHACOなどのECサイトで購入できる

 手軽に調理できるカレーといえば、パウチと呼ばれる袋に入ったレトルトを思い浮かべるだろう。ご飯を炊いて皿に盛り付け、その上に湯で温めたカレーをかけるだけで完成する。1968年に大塚食品が世界初の市販レトルトカレー「ボンカレー」を発売して以来、半世紀にわたって愛されている。その調理ステップをさらに簡略化するため、ルーをカップに入れ、ご飯が無くても食べられるスープ仕立てにしたのが「やさしく夜遅カレー」だ。ハウス食品がカレーをカップに入れたのは初の試みという。

 カップの蓋を少しはがし、500ワットの電子レンジで1分間温めるだけの即席調理。食べ終わったら容器を捨てるだけなので、洗い物の手間も省ける。素材を生かしたレトルトのおいしさと、即席スープの手軽さを併せ持つ商品だ。

カップを電子レンジに入れ、1分ほど加熱するだけでカレーが出来上がる
カップを電子レンジに入れ、1分ほど加熱するだけでカレーが出来上がる
蓋を開けると、カレーらしい香りが広がる
蓋を開けると、カレーらしい香りが広がる

 味は、「濃厚あめ色玉ねぎ&ブイヨン」と「まろやか完熟トマト&5種の野菜」の2種類。1食170グラムで1日に必要な野菜の3分の1が取れ、油分や小麦粉の使用を最小限にすることで約90キロカロリーに抑えた。一般的なレトルトカレーは約170~200グラムで約160~180キロカロリーの商品が多いが、夜遅カレーのカロリー量はそのおよそ半分だ。

この記事は会員限定(無料)です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
1
この記事をいいね!する

日経トレンディ6月号

【最新号のご案内】日経トレンディ 2023年6月号
【巻頭特集】10大トレンド予測
【第2特集】2023年上半期ヒット大賞&下半期ブレイク予測
【第3特集】公共料金の裏ワザ
【SPECIAL】影山優佳インタビュー
発行・発売日:2023年5月2日
特別定価:750円(紙版、税込み)
Amazonで購入する