指原莉乃、木梨憲武を起用したCMで一気に知名度が上がったスマホメーカー、OPPO。「打倒ファーウェイの決定打」として放った「OPPO Reno3 A」は3万円台というコスパの良さが特徴だ。KDDIとソフトバンクが5Gスマホとして採用したこともあり、今後普及が進む可能性が高い。
たった2年半で、日本において一気に認知度を上げたスマホメーカー、OPPO。OPPOは中国のメーカーであり、世界シェアでは中国・ファーウェイ、韓国・サムスン電子、アップルに続く第4位だ。2019年には、テレビCMにタレントの指原莉乃を起用。20年はさらに木梨憲武も仲間入りし、連日テレビでCMが流れることで認知度がさらに上がった。
ここ最近、中国メーカーが成長を遂げているが、その強さの秘訣は中国国内向けに大量に生産することでコストを下げつつ、コストパフォーマンスの良さで世界中で売っていくというやり方だ。世界的に5Gに移行しつつある中、既に中国メーカーは数万円程度の安価な5Gスマホを製造、販売。5Gスマホでもコストパフォーマンスを武器に世界を席巻する可能性がある。
OPPOの世界第4位というシェアも、そうした大量生産体制が威力を発揮している。しかし、2018年に日本に上陸する際、OPPOは日本市場だけは独自の攻め方を展開してきた。日本の携帯電話市場は「ガラパゴス」と揶揄(やゆ)されるほど世界と比べて独自な進化を遂げてきた。そのため、OPPOは世界で成功したビジネスモデルではなく、日本市場に合った製品、プロモーションを展開してきたのだ。
OPPOが日本に上陸した初期段階こそ、海外で売れた機種を持っていただけにすぎなかったが、その後、OPPOは日本上陸半年で「R15 Pro」においてJR東日本のモバイルSuicaなどで利用されている非接触IC「FeliCa」や防水に対応させ、「格安スマホでもモバイルSuicaを使いたい」というユーザーのニーズを捉えることに成功した。
その頃のSIMフリー市場といえば、ファーウェイがかなり強い状態にあったが、ファーウェイはSIMフリースマホでのFeliCaへの対応を後回しにしていた。その点、OPPOはいち早くFeliCa対応したことで、キャリアからの注目も高まることになったのだ。
ファーウェイは国内SIMフリー市場でトップを走っていたが、トランプ政権ににらまれ、米国企業との取引ができない状態になってしまった。結局、Google Playを搭載できず、Googleマップなどの提供を断念。ファーウェイは独自のアプリ配信プラットフォームを立ち上げざるを得なくなった。
しかし、同じ中国メーカーであるOPPOはトランプ政権から目を付けられることはなく、Google Playを提供し続けることができている。
そのため、今年3月、5Gサービスが各キャリアでスタートしたが、OPPOはKDDIとソフトバンクから5Gスマホを採用してもらうことに成功。海外メーカーがキャリアから扱ってもらうことはかなり大変なことなのだが、コストパフォーマンスの良さと日本対応を重視した姿勢が評価され、5Gスマホで本格的なメジャーキャリアデビューにこぎ着けたのだった。
そんなOPPOがSIMフリー市場で「打倒ファーウェイの決定打」として放ったのが「OPPO Reno3 A」だ。
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