5G対応スマホは、カメラ機能に力を入れた機種が充実している。その中でも「Xperia 1 II」は、ソニーの一眼カメラを使いこなすような玄人向けの機能を搭載。動画を見る際にも本格的な映像美が楽しめる機能がある。その使い勝手をレポートする。

 ソニーのフラグシップスマートフォン「Xperia 1 II」は5Gに対応。同社のカメラである「α」シリーズの技術を生かした機能がふんだんに盛り込まれているのが魅力だ。

 画面は6.5インチ(3840×1644ドット)の有機ELパネルを採用。アスペクト比は21:9となっており長細い。ちょうど、映画を視聴するのに最適な比率となっている。横幅は比較的持ちやすいものの、縦に長いので画面上部に指は届きにくい。

本体サイズは約72×166×7.9ミリメートルで、重さは181グラム。画面は、6.5インチ(3840×1644ドット)で、映画などをフルスクリーンで楽しめる比率
本体サイズは約72×166×7.9ミリメートルで、重さは181グラム。画面は、6.5インチ(3840×1644ドット)で、映画などをフルスクリーンで楽しめる比率

 画面上部と下部に縁があり、インカメラが収納されている。画面上部が黒く凹になっていたり、黒い丸が開いた形でカメラが内蔵されていたりする機種が多いが、ソニーとしてはデザイン性を重視して、ノッチなどは設けずベゼルの中に収めているのだろう。

 画面ロックは指紋認証で解除する。本体側面に電源ボタンがあり、指紋認証センサーと兼用になっている。右手で本体を持ち、親指の指紋、あるいは左手で本体を持ち人差し指でロックを解除するのにちょうどいい。

本体側面に電源ボタンがあり、指紋認証を兼ねた作りになっている
本体側面に電源ボタンがあり、指紋認証を兼ねた作りになっている

 本体上部にはイヤホンジャックが備わっている。ここ最近、本体を薄くしたいためにイヤホンジャックを廃止するメーカーが相次いでいる。ソニーもしばらくイヤホンジャックを無くしていたが、Xperia 1 IIでは復活。Bluetooth接続のワイヤレスイヤホンが流行しているが、ゲームなどをすると、画面の表示と音がズレるという問題があり、ゲームファンからそっぽを向かれていた。そのため、Xperia 1 IIではイヤホンジャックを採用した。

 背面のカメラは超広角、標準、望遠のトリプルレンズとなっている。超広角は16ミリメートル(F値2.2)、標準は24ミリメートル(F値1.7)、望遠は70ミリメートル(F値2.4)でいずれも1220万画素となっている。また3D iToFセンサーも備える。

前モデルでは中央にあったカメラ群が、本体の左上に配置されるようになった
前モデルでは中央にあったカメラ群が、本体の左上に配置されるようになった
カメラはトリプルで、16ミリメートルの超広角から70ミリメートルの望遠まで対応
カメラはトリプルで、16ミリメートルの超広角から70ミリメートルの望遠まで対応

 標準カメラのアプリでは超広角、標準、望遠をそれぞれワンタッチで切り替えられる。デジタルズームは3倍まで。昨今、数十倍のデジタルズームで撮影できる機能をアピールするスマホが多いが、画質においてはどうしてもガビガビになりがちだ。ソニーとしては現実的な画質で使える3倍までにとどめておいたのだろう。

 また、標準カメラのセンサーサイズが、前モデル(Xperia 1)では1/2.6型だったのが、Xperia 1 IIでは1/1.7型に大型化された。これにより、1.5倍の高感度撮影、3倍の読み出し速度を実現した。一方で、従来のモデルで搭載されていた最大960fpsのスーパースロー動画撮影機能がなくなった。

 ここ最近のスマホのカメラはSNS映えを意識した色遣いが多い。カメラで撮影した画像に対して、AIが濃いめの色を付けるなどして過度な加工が行われているものもある。そんな中、ソニーのアイデンティティーなのか、Xpeira 1 IIでは、忠実な色表現にこだわっているようだ。

 通常、スマホのカメラアプリは誰でも簡単に何も考えなくてもシャッターボタンさえ押せば、そこそこ奇麗な写真が撮れるように配慮されている。Xperia 1 IIでも標準のカメラアプリは、撮影時に何も考える必要はない。

 だが、スマホ写真であっても「あえて自分好み」にカスタマイズする機能があるのがXperia 1 IIだ。ソニーのカメラ「α」シリーズの技術と操作性をスマートフォンで再現した「Photography Pro」というアプリを搭載している。画面右側にシャッタースピードや露出など細かな設定が表示されており、自分の好きなように設定を工夫して撮影することができる。この辺りは、αユーザーを取り込もうとしている努力がうかがえる。

カメラアプリ「Photography Pro」により、細かな設定を変えての撮影が可能となっている
カメラアプリ「Photography Pro」により、細かな設定を変えての撮影が可能となっている

 写真を撮るときには、本体側面にあるボタンを押す。半押しにすればオートフォーカスをロックした状態となり、シャッターを押すタイミングを待つということもできる。オートフォーカスと自動露出が追従した状態で、秒間20コマの高速連写をすることも可能だ。

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