※日経トレンディ 2019年10月号の記事を再構成

日本の玄関口・羽田空港にアクセスしやすいエリアで、ミレニアル世代の訪日外国人観光客をターゲットとするホテルが2019年8月にオープンした。藤田観光が手掛ける「ホテルタビノス浜松町」だ。

ロビーの机には全席コンセントを備える
ロビーの机には全席コンセントを備える
藤田観光「ホテルタビノス浜松町」
【施設】
●宿泊料金/1室1人利用時基本1万円(税込み)
●所在地/東京都港区海岸1-13-3
●客室数/188室
●開業日/2019年8月1日

 最大の特徴は“漫画”を前面に打ち出したデザイン。思わず写真を撮りたくなる空間がロビーから客室まで広がる。コンセントやアメニティーのある場所なども漫画のイラストで示しており、機能面でも外国人観光客に優しい。

客室の絵柄は全3種類。複数のイラストで漫画のストーリーを表現。部屋タイプはハリウッドツインまたはダブル
客室の絵柄は全3種類。複数のイラストで漫画のストーリーを表現。部屋タイプはハリウッドツインまたはダブル

 昭和の雰囲気漂うレトロなイラストとは対照的なのが、AIコンシェルジュから自動チェックイン機、セルフクロークまである最新の設備。通常業務の手間を省き、ホテルスタッフが客とのコミュニケーションに集中しやすくなっている。「モノよりコトを重視するミレニアル世代のニーズを意識した」(同社)といい、ロビーにはコーヒーマシンに加え、朝食時間帯は無料の軽食なども用意。人の集まる場が充実している。

AIコンシェルジュで食事の場所などを調べられる。日本語、英語、中国語に対応
AIコンシェルジュで食事の場所などを調べられる。日本語、英語、中国語に対応
セルフクロークはICカードでのロックができ、チェックアウト後も使える
セルフクロークはICカードでのロックができ、チェックアウト後も使える

 宿泊にはあまり費用をかけず、外で目いっぱい観光したら部屋では寝るだけというのもこの世代の特徴。そのため客室の広さもコンパクトな12平方メートルが基本で、スイートルームは設けない。部屋数を増やし、若者でも手の届きやすい宿泊料金を実現した。

 第2弾は20年5月に浅草で開業予定。「21年までにはインバウンドが多い都市を中心に5軒の展開が目標」(同社)という。

ヒット予報
ターゲットを絞り込んだ設計が奏功し、予約状況は好調だという。ホテル周辺の竹芝エリアとJR浜松町駅を結ぶ歩行者デッキも東京オリンピック前に完成予定で、若い訪日外国人観光客を呼び込みそうだ

(写真/高山 透)

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