※日経ソフトウエア 2018年7月号の記事を再構成

日本ディープラーニング協会が実施する「ディープラーニング検定」のうち、ジェネラリストを対象とした「G検定」は、JDLAの公式サイトにいくつか例題が掲載されている。その例題をいくつか見てみることにしよう。プログラミングおよびソフトウエア開発の専門誌である「日経ソフトウエア」がその解答と内容を解説する。

ディープラーニング検定「G検定」の例題を解いてみよう(画像)
例題1

「強いAI・弱いAI」に関する説明として適切なものを2つ選べ。

(1)「強いAI」は、エキスパートシステムと呼ばれ、現在でも広く実用されている。
(2)AGI(Artificial General Intelligence:汎用人工知能)と呼ばれるものは、「強いAI」により近いものである。
(3)本来の意味での「人間のように考えるコンピュータ」が開発されたことが、第3次人工知能ブームのきっかけである。
(4)国際的な画像認識のコンペティションでは、「弱いAI」が人間を超える識別性能を実現している。


解答
(2) (4)

★例題1の解説

 人工知能分野に関する出題だ。G検定の出題パターンはいくつかあるが、この例題のように適切なものを「○つ選べ」というパターンは、比較的解答しやすい方だ。「正しいものをすべて選べ」というパターンもあり、こちらの場合は正しい選択肢の数は分からない。順に解説していこう。

 「強いAI」と「弱いAI」という言葉は、哲学者のジョン・サールが作った用語で、強いAIとは、人間の思考プロセスそのものをトレースするものとされている。自意識を備えているといってもよいだろう。それに対して弱いAIとは、意識を持たず、結果として人間が行う知的処理ができるものとされている。エキスパートシステムは、人工知能研究から誕生したコンピュータシステムで、人間の専門家の意志決定能力をまねたもので、弱いAIの典型だ。

 AGIは、汎用人工知能と呼ばれることからも分かるように、人間と同じような真の知能を実現するもので、強いAIに近いものだ。本来の意味での人間のように考えるコンピュータは強いAIということになるが、現時点では強いAIは実現されていない。

 画像認識のコンペティションでは、ディープラーニングを用いた弱いAIが、数年前に人間の識別性能を超える結果を出している。したがって、(2)と(4)が正解となる。