曖昧模糊とした「魅力」を数値化して予測、改善に生かす魅力工学特集の第5弾は「バナー広告」。ネット広告関連事業を展開するソネット・メディア・ネットワークスが、配信実績を基に高クリック率を得たバナーと低クリック率だったバナーをディープラーニングで学習させたところ、70%の精度でクリック率の高低予測が可能になった。ネット広告のプロである同社社員でも予測精度は53%にとどまる。広告の制作・選定の工程が変わりそうだ。

ネット広告ビジネスのプロフェッショナルでも、バナー広告の善しあしを見分ける“目利き”力はAI(人工知能)に大幅に劣る──。ソネット・メディア・ネットワークス(東京・品川)は、2018年6月5日から開催される人工知能学会全国大会でこんな研究結果を発表する。東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻の山崎俊彦准教授を技術アドバイザーとして招いて実施した共同研究から得た成果だ。
CTR(クリック率)が高かった画像と低かった画像に分けてディープラーニングで学ばせたところ、未学習のバナーのCTRの高低を70%の精度で判別することができた。一方、ネット広告のプロフェッショナルである同社社員7人がCTRの高低予測にチャレンジしたところ、その精度は50~55%(平均53%)にとどまった。
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