あなたが勤務する企業のマーケティング部門では、広告クリエイティブや商品パッケージなどを複数の候補の中からどのように決めているだろうか。予算規模によっては、最終の意思決定は部長、あるいは経営幹部マターという会社もあるだろう。候補案から選ぶ企業のお偉いさんも、確固たる根拠があるわけではない。若手部員がその選択に違和感を感じても、別案が優れているエビデンスを示すのは容易ではない。そんな漠然とした「魅力」をAI(人工知能)を活用して数値化、解明する取り組みが始まっている。

魅力を数値化する魅力工学プロジェクトが今、さまざまな業界で進んでいる。主導するのは、東京大学大学院情報理工学系研究科の山崎俊彦准教授。振り出しはアナログLSI(集積回路)の研究者で、「匠の技に興味があった。その後情報メディアの世界に接するようになり、例えば広告の巧拙など曖昧模糊とした魅力というものをAIで解明してみたいと思い、取り組むようになった」と語る。
第1回は「婚活」ビジネスに焦点を当てる。山崎准教授は、結婚情報サービス大手IBJの協力を得て、男女のマッチング精度の向上で成果を得た。画像認識などのAI技術を活用し、会員プロフィルシート、「いいね」のやりとりなどから魅力度を算出し、要因を分析。IBJは得られた知見を基にカップル成立のアドバイスに生かす。
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