顧客が店舗に入ったかどうか。どの商品を手に取ったのか。あるいは、ライバル店は同じ商品をいくらで販売しているのか。ネット上のデータと、現実世界での行動やデータなどを一元的に把握して、リアルタイム(即時)に適切なマーケティング施策を打ち出す――。こうした特徴を持つ「リアルタイムマーケティング」がAI(人工知能)などのテクノロジーにより大きく進化している。スポーツブランドのアディダスジャパンや、ライブコマースを活用して商品をどこよりも早く先行販売したRIZAPなど、いち早くリアルタイムマーケティングを実践する先進企業の取り組みを追った。

 ドラッグストア「みんなのお薬」を展開するエルフィード(東京・中野)は、リアルタイムマーケティングに取り組み始めて、わずか3カ月で売り上げを2倍の1億円に、利益率も同様に2倍の10%に高めた。

 本特集ではこのエルフィードのほか、店舗の在庫情報を広告配信に活用したスポーツブランドのアディダスジャパンや、ライブコマースを活用して商品をどこよりも早く先行販売したRIZAPなどの事例を紹介していく。

1円でも安くの価格戦略に限界

 エルフィードは2年半前に医薬品販売事業に参入した。東京・中野に店舗を構えているが、主戦場はネット通販である。自社ECサイトに加えて、大手ECモール「Amazon.co.jp」の「Amazonマーケットプレイス」にも商品を出品している。

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