企業がオブザベーションを実践し、仮説を立案するためにはどうすればいいのか。そのポイントについて、i.schoolディレクターでイノベーションコンサルティング企業i.labのマネージング・ディレクターを務める横田幸信氏に聞いた。

――少数のエクストリームユーザー(極端な行動や性格の人)だけを探っても、それだけで全体をカバーできるのかといった疑問が出てきます。横田さんがオブザベーションで注意している点は何でしょうか。

横田幸信氏(以下、横田) 私の場合、エクストリームユーザーによる固有性の高い情報と、一般的なユーザーを対象とした調査や統計などから得られる情報の両方を見るようにしています。例えば、まずはエクストリームユーザーに会い、彼らの考え方など固有の情報から仮説を立てます。そして一般のユーザーに調査し、その仮説が正しいかどうかを確認します。行動観察やインタビューなどは仮説を立てるために実行する。一般的なユーザーに聞いても、意外と思うような仮説は出てきません。ただ、仮説だけでは単なる妄想なので、必ず定量調査が必要になる。仮説だけで突っ走ることはありません。定量調査の結果、当初の仮説が現実と異なるケースは何度もありました。