アンケートやグループインタビューといった従来型の調査手法からは、イノベーティブな商品を開発することが難しくなってきている。代わって注目を集めているのが、オブザベーション(ユーザー観察)だ。

 文化人類学や社会学の調査手法にエスノグラフィー調査がある。これは、異文化を理解するために、研究者が現地の部族などの暮らしに入り込み、生活や文化の裏にある考え方や論理を解明するための手法だ。オブザベーションはこのエスノグラフィー調査を応用したもので、商品開発に生かすため、デザイナーや商品企画者がユーザーの自宅や職場などに足を運び、質問したり、商品の使い方などの行動を観察したりする。そこからユーザー自身も気づいていない不満やニーズを浮かび上がらせる狙いがある。

調理の喜びと清掃の悩みから気づき

 今回はデザインリサーチ会社、プラグの協力を得て、実際のユーザーを対象にしたオブザベーションに本誌記者が参加した。実践編では、オブザベーションの内容から商品のアイデアをスケッチするまでのプロセスをリポートする。

●オブザベーションから商品企画までの流れ
革新的な商品開発には「ユーザー観察」が必要だった(画像)
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