リアルな店舗を持つ小売業が、AI(人工知能)やビッグデータをフルに活用してアマゾンなどEC勢への対抗策を打ち始めた。連載「リアル店舗の逆襲」の第7回は九州・福岡のスーパー「トライアル」が中心となって立ち上げた「リテールAI研究会」へ参加するメーカーなどが取り組んだ実験のうち、日用品分野の店舗でのAI活用を紹介する。

リテールAI研究会では、食品と日用品に関して、それぞれ分科会を有しており、それぞれの分野におけるリテールAIの活用を実践している。
その中でも17年11月から始まった日用品における店頭実験について紹介する。できることから始めるアプローチによって短期間で成果と失敗を経験し、リテールAIとは何なのか、どんな変化が起きていくのかが見えてきた。コンセプトではなく現場レベルの最前線から、その様子をお伝えしたい。
分科会が立ち上がったのは2017年9月で、実験開始までの準備期間はわずか2カ月ながら11月1日より実験を開始することができた。分科会には日用品メーカー5社と卸売会社1社が参加した。市場においては競合関係であるが、それを乗り越えてタッグを組んだ。
競合するよりも協働を選び、いち早くリテールAIのトレンドをつかみ、各社へ知識と経験を持ち帰ることとした。また、各メーカーの協力が得られやすい、ボディーソープ、オーラルケア、生理用品、消臭芳香剤の4カテゴリーを実験対象として設定した。
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