アマゾン・ドット・コムを筆頭に、国内外EC企業が実店舗との連携で、データの収集や新たな収入源の確保に乗り出している。この状況にリアルな店舗を持つスーパーなどの小売業が、人工知能(AI)やビッグデータをフルに活用して反撃ののろしを上げた。第4回は九州・福岡のスーパー「トライアル」の新店舗で変わる顧客の買い物体験を見ていく。

トライアルカンパニー(福岡市)の「スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」に入ると、これまでとは変わった形のカートがお出迎えしてくれる。「スマートレジカート」と名付けられた大型ディスプレー付きのカートは、店舗に来た顧客に対して“最後のお願い”をするのが役目である。
顧客は来店後にポイントカードをスマートレジカートでスキャンしたうえで買い物を始める。これまでの買い物と異なるのは、顧客はカート上でセルフで商品のバーコードをスキャンするということだ。レジでの精算時間を短縮するためだが、トライアルにとっては、電子クーポンにより顧客に関連商品を進められるメリットもある。クーポンはスマートフォンに送ればいいという考えもあるが、買い物しながらスマホを片手に操作するよりも使いやすい点を重視した結果だ。

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