アマゾン・ドット・コムを筆頭に、国内外EC企業が実店舗との連携で、データの収集や新たな収入源の確保に乗り出している。この状況にリアルな店舗を持つスーパーなどの小売業が、AI(人工知能)やビッグデータをフルに活用して反撃ののろしを上げた。第2回は九州・福岡のスーパー「トライアル」がAI活用のコアと位置づけているAIカメラを解剖していく。

福岡市にあるトライアルカンパニーの「スーパーセンタートライアル アイランドシティ店」。一見すると普通の大型スーパーだが、中に入ると違った光景が広がっている。天井を中心に約700台もの「スマートカメラ(AIカメラ)」が設置されているのだ(写真)。カメラは2種類あり、約600台は主として陳列棚と商品を認識し、残りの約100台は人を認識する役割を担っている。

AIカメラでも自前主義を貫く
トライアルはIT(情報技術)のシステムやサービスと同様に、AIカメラでも自前主義を貫く。トライアルホールディングス執行役員の松下伸行CTOはもともとソニーでデジタルカメラを担当していたソフトウエアエンジニアだが「小売業もAIカメラを自作する時代になった。トライアルは売り場という現場を持っているので、どのようにすれば消費者を把握できるのかというニーズを組み入れた新しいAIカメラを開発していくことができる」と強調する。
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