第二部「アリババ、京東集団……中国の最強データ活用企業の新成長戦略」の4回目。阿里巴巴集団(アリババグループ)が2016年春から開発を始め、昨年から実際に運用している統合マーケティングツール「Uni Marketing(ユニマーケティング)」を取り上げ、アリババが推進するデータ・ドリブン・マーケティングの実情と、日本企業にとっての今後の展開を明らかにする。

昨年、イタリアの高級自動車ブランド「アルファロメオ」が中国市場に初めて進出するに当たり、まずアリババグループのECサイトで売り出す計画を立てた。ディーラー(販売店)網をすぐには作れないという判断からだ。同社が用意したEC用の“在庫”は350台。半年かけて売り切れば御の字というつもりだったという。では、ECサイトでアルファロメオのクルマを売り出してから、実際に売り切れるまでどのくらいの期間がかかったのか──。
答えは驚きの「33秒」である。売り出し開始とともに、アルファロメオをすぐに購買したいと考えるユーザーがECサイトに殺到したわけだ。これを可能にしたのが、アリババが推進するデータ・ドリブン・マーケティングである。
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