企業間の取り引きはビッグデータでどのように見え、本当に地域に貢献している企業はどこなのか。そしてデータに基づくことで政策の立案や実行はどう変わるのか。経済産業省が中心となって国が2017年末に選定した2148社の「地域未来牽引企業」について、ビッグデータを提供した帝国データバンクがビジュアライゼーションをフルに活用し、事例をまじえて解説する。今回は地域未来牽引企業に選ばれた企業を「地域クラスター構築」の視点で分析する。本記事は書籍『ビッグデータで選ぶ地域を支える企業』を基にしている。

アンレット(下の画像をクリックすると動画再生)
この映像は対象とする地域中核企業の取引ビッグデータを基にビジュアライゼーションを作成したものです。地域内や全国の企業とどのように取り引きをしているのかのネットワークを把握できます(制作:Takram、提供:帝国データバンク)
ビッグデータで選ぶ地域を支える企業
ビッグデータで選ぶ地域を支える企業

Category2「地域クラスター構築型」アンレット

 愛知県名古屋市の西側に隣接する愛知県海部郡蟹江町にあるポンプメーカー、アンレットは浄化装置用のブロア(送風機)や真空ポンプを製造するメーカーです。

アンレットの6指標スコア
アンレットの6指標スコア

 ポンプの代表的な用途は上下水道です。灌漑や排水処理など古くから使われてきていますが、技術開発が進むとともに医療用や工業用などあらゆる産業分野で様々な用途で使われる多品種少量化が進み、関連業種も多いため裾野が広い製品という特徴を持っています。アンレットは1944年創業の老舗メーカーで、多くの特許や実用新案を持つ技術力の高いメーカーです。

 まずは、データをみてみましょう。

地域未来牽引企業の指標では、ハブ度、利益貢献度が高いことが特徴です。ここではハブ度に注目します。

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