
- 全20回
クルマや鉄道・交通業界に地殻変動 モビリティ革命「MaaS」の真相
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- 第1回
- 2018.04.16
製造業から脱却迫られるトヨタ 世界を席巻し始めたMaaSとは クルマ業界や公共交通が一斉にMaaS(Mobility as a Service)へと向かい始めた。トヨタ自動車は“生死を分ける戦い”と捉え、製造業からの脱却を宣言。ゲームチェンジを見越し、NTTドコモ、パナソニック……参戦企業は後を絶たない。MaaSとはどういったものなのか。利便性と社会的意義、生じるチャンスとリスク、変わる産業と消費、そのすべてを探る特集の1回目。シェアリング、自動運転、EV……従来の産業構造を覆すキーワードが浮上。トヨタは100年来の大転換を決断した。その背後にはMaaSという大波が見え隠れする。自動車メーカーや公共交通の動向を追いつつ、MaaSの実像に迫った。 -
- 第2回
- 2018.04.17
MaaSに必要なエコシステムとは? 先進フィンランドの教え モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の2回目。MaaSという概念が生まれた地、フィンランドに飛んだ。世界が注目するベンチャー、MaaSグローバルが展開するモビリティサービスの統合スマホアプリ「Whim(ウィム)」は、どこまで移動を便利なものに変えてくれるのか。また、Whimのような統合サービスの土台となり、官民学連携でオープンデータとオープンAPIを実現するフィンランドの仕組みづくりを解き明かす。 -
- 第3回
- 2018.04.18
クルマを買う時代は終わった!? 「モビリティ革命」生みの親を直撃 モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の3回目。カーシェアや鉄道、バス、タクシーといった、あらゆる交通サービスを統合し、移動の効率化を目指すMaaS。この概念を最初に提唱し、「生みの親」と呼ばれるのが、フィンランドのベンチャー企業、MaaSグローバルの創設者であるSampo Hietanen氏だ。生みの親が語る“本物”のMaaSとは一体何か。現地フィンランドで独自インタビューを行った。 -
- 第4回
- 2018.04.19
“未来のハイエース”に勝機?トヨタと組むウーバーCEOの青写真 モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の4回目。製造業からサービス業への転身を図るトヨタ自動車が、「ここだけは譲れない」と語気を強めるのが「モビリティサービスプラットフォーム(MSPF)」だ。専用の自動運転EV「e-Palette Concept」も発表し、米ウーバー、米アマゾン、中国・滴滴出行(ディディチューシン)、マツダなどと“同盟”を組んだ。その戦略とサービスの中身は――。ウーバーCEOのダラ・コスロシャヒ氏の言葉や、日産自動車の動きも交えながら解説する。 -
- 第5回
- 2018.04.20
移動データ界に伏兵現る 大衆車を爆速でIoT化するベンチャー モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の5回目。前回の「“未来のハイエース”に勝機?トヨタと組むウーバーCEOの青写真」では、モビリティのサービス化に向かう自動車メーカーの戦略にフォーカスを当てた。その核となる、クルマの移動データを巡って虎視眈々と事業を拡大しているベンチャーが実はある。2013年創業のスマートドライブ(東京都品川区)だ。巧みな戦略で「つながるクルマ」を爆速で増やすスマートドライブが描く近未来は、クルマを実質無料で“買う”時代だ。 -
- 第6回
- 2018.04.23
自動運転車が公共交通を変える「5分500円の原則」とは? モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の6回目。クルマから鉄道、バス、タクシーまで、あらゆるモビリティがシームレスにつながるMaaSの世界は、どんなメリットをもたらし、日本ではどのような形で実現されようとしているのか。そこにクルマの未来である自動運転車はどう関わるのか。自動運転の研究における第一人者であり、日本版MaaSに向けて旗振り役を担う東京大学 生産技術研究所の須田義大教授に話を聞いた。 -
- 第7回
- 2018.04.24
【特報】中古車大手IDOM 個人間カーシェアでも“ガリバー”目指す モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の7回目。クルマの所有からシェアへの流れが自動車ディーラーの経営を直撃する懸念があるなか、事業モデルの変革に大きく舵を切ろうとしているのが、中古車の販売・買取最大手、IDOM(旧ガリバーインターナショナル)だ。同社はクルマの利用に根差した新たなサービスを提供する「CaaS(Car as a Service)」戦略の下、2019年2月期中をめどに個人間カーシェアに参入する構え。日経クロストレンドの取材により、顧客獲得策など具体的な戦略が明らかになった。 -
- 第8回
- 2018.04.25
10万台の自家用車が、相乗りタクシーならたった3000台に モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の8回目。鉄道の駅や路線バスの停留所から自宅への「ラスト・ワン・マイル」をつなぐ、より効率的で割安な新交通サービスとして登場を期待されるのが、複数人で乗車する「相乗りタクシー(バス)」だ。海外では米ウーバーなどが取り組んでいるが、日本ではまだ実証実験の段階。MaaS時代の“花形サービス”となり得る相乗りタクシー(バス)の効用とは? -
- 第9回
- 2018.04.25
ライドシェア大手の滴滴が仕掛ける“中国版MaaS”を試した モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の9回目。中国のライドシェア最大手である滴滴出行(ディディチューシン)は今年4月9日、乗用車のライドシェアと公共交通機関の乗り継ぎを一体で提案する新サービスを開始。MaaSへと舵を切った動きに見える。中国・北京に出張中だったチャンスを生かし、その中身を体験した。 -
- 第10回
- 2018.04.26
ドコモがカーシェア事業に参入した本当の理由と、その先の野心 モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の10回目。自動車メーカーなどがプラットフォームの覇権争いで名乗りを上げるなか、最後に笑うのは誰か。実は日本にも、フィンランドのMaaSグローバルのように自らはクルマや鉄道を所有せず、中立的な立場でモビリティサービスを統合し得る企業がある。膨大なユーザー数を抱えるNTTドコモや、ユーザー数のみならず運行情報や無二のデータを持つナビタイムジャパン(東京・港)がその好例だ。2社は「MaaSオペレーター」のポジションに座することができるのか。2回にわたって解説する。 -
- 第11回
- 2018.04.26
ナビタイムが挑むデータ活用戦略はMaaSを掌握するか モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の11回目。自動車メーカーがプラットフォームの覇権争いで名乗りを上げるなか、最後に笑うのは誰か。実は日本にも、フィンランドのMaaSグローバルのように自らはクルマや鉄道を所有せず、中立的な立場でモビリティサービスを統合し得る企業がある。膨大なユーザーを抱えるNTTドコモや、ユーザー数のみならず運行情報や無二のデータを持つナビタイムジャパン(東京・港)がその好例だ。2社は「MaaSオペレーター」のポジションに座することができるのか。前回のドコモに続き、ナビタイムの取り組みを追う。 -
- 第12回
- 2018.04.27
「駅から駅」を「Door to Door」へ JR東と未来のクルマがつながる? モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の12回目。前回まではクルマの未来に目を向けてきたが、あらゆる交通サービスを統合するMaaSにとって鉄道は不可欠。国内の鉄道会社も静観しているわけではない。東日本旅客鉄道(JR東日本)は技術革新中長期ビジョンで「『モビリティ革命』の実現」を目指している。昨年9月には「モビリティ変革コンソーシアム」の設立を発表。同社はMaaSとどう向き合うのか、その答えを求めた。 -
- 第13回
- 2018.04.27
【速報】鉄道や自動運転バスが割引に? 「小田急版MaaS」の衝撃 モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の13回目。自動車メーカーやシェアリング事業者など、さまざまなプレーヤーがひしめくなか、“本命”といえる鉄道会社で、いち早く小田急電鉄がMaaSへの取り組みを中期経営計画に盛り込んだ。本日発表された新中計で語られた「小田急版MaaS」の中身と、そこから読み解く同社のグループ戦略をどこよりも詳しく掘り下げる。 -
- 第14回
- 2018.05.07
パナソニックが“箱の中身”を開発 自動運転車はリビングになる モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の14回目。MaaSの実現を目指す動きが急速に進み始めた一方で、クルマそのものはどのように進化しようとしているのか──。将来、完全自動運転が実現すれば、ドライバーは運転不要となり、クルマは搭乗者の多様なニーズに対応できる“箱”になる可能性がある。言い換えればクルマのスマホ化だ。そんな“箱の中身”の開発で名乗りを挙げたのがパナソニック。「リビング」「ビジネス」など、4パターンに変化する「次世代モビリティキャビン」のコンセプトを発表した。家電や住設のノウハウを生かす勝機となるか。 -
- 第15回
- 2018.05.08
トヨタも提携するエヌビディア 自動運転のAI技術で“主役”に? モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の15回目。自動車メーカーを中心に自動運転の実用化が図られている。そのためにはAI(人工知能)や各種センサー、半導体、5Gに象徴される次世代無線通信など、さまざまな技術の進化が求められる。自動運転を巡る技術の最先端で、今どんなことが起きているのか。米エヌビディアをはじめ、ハンガリーのエーアイモーティブ、香港のセンスタイムなど、注目プレーヤーたちの取り組みを追った。 -
- 第16回
- 2018.05.09
トヨタは、AIがドライバーを助ける新しい“愛車”を目指す モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の16回目。MaaSの実現を目指す動きが急速に進み始めた一方で、クルマそのものはどのように進化しようとしているのか──。乗用車の分野では、AI(人工知能)によってドライバーの行動や気持ちを “理解”した上で、自動運転の技術を駆使してドライバーの運転をサポートしたり、会話や情報提供などによって利便性を向上させる取り組みが始まっている。その動きは、今夏に発売されるトヨタ自動車の新型クラウンのようなコネクテッドカーとどう関わっていくのか。トヨタが昨年から打ち出したコンセプトカー「Concept-愛i」を軸に取り上げた。 -
- 第17回
- 2018.05.10
MaaSの終着点は未来の「スマートシティ」 米国の最新事情 モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の17回目。これまで自動車メーカーや鉄道会社など、個別プレーヤーのMaaSに向けた取り組みを紹介してきたが、今回はより大局的な視点に立ち、MaaSが社会に与えるインパクトを考察する。3000億円に迫る巨額投資を集め、米国で進むスマートシティの取り組みと、MaaSの関係とは? 都市・交通のシンクタンクである計量計画研究所理事で、将来のモビリティビジョンを描くスペシャリスト、牧村和彦氏による寄稿。 -
- 第18回
- 2018.05.11
MaaS定義は5段階 国内プレーヤーの現状は、ほぼ「レベル0」 モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の18回目。スマートシティ創出の重要なピースとしてMaaSの取り組みが進む米国事情を専門家がリポートした前回に続き、今回は「MaaSとは何か?」というそもそも論に立ち返り、MaaSの統合度による5段階のレベル分けを紹介するとともに、モビリティ業界激動の時代を読み解く。日本総合研究所創発戦略センターの井上岳一シニアマネジャーによる寄稿。 -
- 第19回
- 2018.05.15
結局、「日本版MaaS」を制するのは一体誰なのか? モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の19回目。「MaaSとは何か?」というそもそも論に立ち返り、MaaSの統合度による5段階のレベル分けを紹介した前回に続き、日本総合研究所創発戦略センターの井上岳一シニアマネジャーによる寄稿。今回は、日本におけるMaaSオペレーターの座を手にするプレーヤーは誰か、その核心に迫る。 -
- 第20回
- 2018.05.21
黒船か、救世主か? MaaSが迫るクルマ社会・日本の「開国」 モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の最終回。「万人に開かれたモビリティ」を志向するMaaSがもたらす恩恵は、地方都市を再活性化し、高齢者のみならず“外出しない”若者たちを街へと駆り立たせ、日本を成長軌道に導くことだ。自動車産業を破壊する脅威の“黒船”と捉えるか、それとも前向きなサービス創造へと舵を切るか。これからの日本が選択すべき道を日本総合研究所創発戦略センターの井上岳一シニアマネジャーが提言する。