モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の18回目。スマートシティ創出の重要なピースとしてMaaSの取り組みが進む米国事情を専門家がリポートした前回に続き、今回は「MaaSとは何か?」というそもそも論に立ち返り、MaaSの統合度による5段階のレベル分けを紹介するとともに、モビリティ業界激動の時代を読み解く。日本総合研究所創発戦略センターの井上岳一シニアマネジャーによる寄稿。

MaaSのレベル定義は5段階。日本のほとんどのプレーヤーは、まだレベル0~1の段階にとどまる(出典:Jana Sochor他(2017)”A Topological Approach to Mobiity as a Service”, ICoMaaS 2017 Proceedings pp.187-201)※レベルごとのプレーヤーは編集部で追加
MaaSのレベル定義は5段階。日本のほとんどのプレーヤーは、まだレベル0~1の段階にとどまる(出典:Jana Sochor他(2017)”A Topological Approach to Mobiity as a Service”, ICoMaaS 2017 Proceedings pp.187-201)※レベルごとのプレーヤーは編集部で追加

 「所有から利用へ」「モノづくりからサービスへ」という動きは、あらゆる業界に押し寄せている潮流だが、ついに自動車業界もその流れに飲み込まれようとしている。単にクルマを売っていれば良かった時代が終わりつつあることを理解する自動車メーカーは、カーシェアリングやライドシェアに参入したり、コネクテッドサービスを充実させたりして、この流れに対応しようとしている。

 だが、単にクルマをサービスとして提供したり、クルマに新たなサービスを組み合わせたりすることがMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)ではない。欧州発のMaaSは自動車メーカーが考える以上のものだ。それはMobility as a Serviceの名の通り、モビリティを第一に考える。欲しいのはクルマではない。モビリティなのだ。だから、MaaSは、モビリティ=クルマと考えたい自動車メーカーに根本的な思想転換を迫る。

 では、MaaSとはそもそも何なのか。それをものにするのは誰なのか。そして、日本にMaaSは根付くのか。本稿では、これらを順に考えてみたい。

【MaaSが注目を集める背景】

  1. シェアリングエコノミーの台頭
  2. 自動運転の現実化
  3. 統合モビリティプラットフォームの登場
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