モビリティ革命「MaaS(Mobility as a Service)」の実像に迫る特集の9回目。中国のライドシェア最大手である滴滴出行(ディディチューシン)は今年4月9日、乗用車のライドシェアと公共交通機関の乗り継ぎを一体で提案する新サービスを開始。MaaSへと舵を切った動きに見える。中国・北京に出張中だったチャンスを生かし、その中身を体験した。

 滴滴出行が提供しているライドシェアとは、ユーザーが滴滴出行のスマートフォンアプリ上で乗車場所と目的地を入力すれば、付近を走る登録ドライバーがすぐに迎えにきて目的地まで運んでくれるというもの。決済はアプリ上で、中国で普及している2大決済アプリ「アリペイ」か「ウィーチャットペイ」の機能を使って済ますので、ドライバーと現金やクレジットカードなどをやり取りすることはない。

 今回の新サービスは、アプリ上にある乗り継ぎサービスボタンをタップすると、出発地(自分の居場所)から目的地までのルートを、乗用車のライドシェアに地下鉄やバスといった公共交通機関、シェア自転車、徒歩などを組み合わせて複数、表示してくれる。

 ユーザーは、ルートごとに示される「かかる時間」「必要な料金の目安」「歩行距離」を参考に好みのルートを選び、そこに乗用車のライドシェアが含まれている場合は、同じアプリ上から、指定の場所と時間に迎えにきてもらえるように予約できるわけだ。

 今回の出発地は、北京駅の西側、地下鉄2号線と5号線が交わる崇文門駅から地上に出て、目の前にあるホテル「ノボテル 北京 シンチャオ(北京新僑諾富特飯店)」。目的地は、2008年北京五輪のメイン会場だったオリンピック公園の近くにあるオフィスビル「ノーススターセンチュリーセンター(北辰世紀中心)A棟」だ。出発地から見ると北京市の中心付近から北上していく格好になる。

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滴滴出行のアプリで、新しい乗り継ぎサービスボタンをタップしてみた

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