文具・雑貨業界の人気商品に注目し、開発の裏側を徹底取材。売れる商品開発のヒントが得られる特集を、あらためてお届けします。※NIKKEI DESIGN 2017年12月号の記事を再構成

コクヨは、法的に有効な遺言書を簡単に作成できる「遺言書キット」をはじめ、終活向けのエンディングノート「もしもの時に役立つノート」や、記念日や贈答品のやりとりを記録する「人とのおつきあいを大事にするノート」など、自分の行動を目的別に書き記すオリジナル商品「ライフイベントサポートシリーズ」を販売。ベストセラーになっている。

 遺言書キットが長く売れ続けている要因は、遺言書を「書きたい」という潜在的なニーズを掘り起こし、ユーザー調査により的確に捉えたことだ。年代を問わず誰でも活用できる使いやすい商品を目指し、目的別のノートとして拡充してきた。同シリーズのラインアップが増えたことで、文具売り場のスケジュール帳や日記帳、家計簿などが並ぶ「特殊罫ノート」のコーナー全体が充実し、他社のエンディングノートとともに市場が活性化してきたという。

遺言書キットに付いている解説書「虎の巻」の内容。虎の巻を見ながら書けば、法的に有効な「自筆証書遺言」を誰でも簡単に作成できる<span class="side-note-link" data-url="01.jpg" data-snippet="クリックすると左の画像を拡大"></span>
遺言書キットに付いている解説書「虎の巻」の内容。虎の巻を見ながら書けば、法的に有効な「自筆証書遺言」を誰でも簡単に作成できる

 かつて遺言書やエンディングノートは「自分の死に備えるもの」という印象が強かったが、最近は「自分だけでなく家族のために書くもの」という認識に変わりつつある。それもライフイベントサポートシリーズが果たした功績の1つだろう。ライフイベントサポートシリーズの担当者、ステーショナリー事業本部 商品本部 記録する・印すVU 企画第2グループの田谷佳織氏は「終活ブームの先駆けとして多くのメディアで取り上げられたことも売り上げを伸ばし、認知度を高める後押しとなった」と話す。