文具・雑貨業界の人気商品に注目し、開発の裏側を徹底取材。売れる商品開発のヒントが得られる特集を、あらためてお届けします。※NIKKEI DESIGN 2017年12月号の記事を再構成
2017年7月に東京ビッグサイトで開催された「第26回 国際文具・紙製品展(ISOT)」。同展で審査された日本文具大賞の機能部門でグランプリを受賞したのが、カール事務器が開発した文具用のはさみ「エクスシザース」だ。1丁7000円(税抜き)という破格の値段だが、“切り落とす”という圧倒的な裁断力と、文具用ながら機能美あふれるデザインが大きな特徴。

カール事務器の「エクスシザース」は、2017年9月1日から先行販売している東京・銀座にある大手文具店の伊東屋でも入荷早々、品切れが頻発するなど高い注目を集めている。このはさみは伝統的な刃物づくりで知られる岐阜県関市の刃物メーカーが開発に参画。職人の技を生かした手作りのため、大量には生産できない。そうした品薄感に加え、職人がつくる刃物の切れ味が関心を呼び、人気の商品になっている。

カール事務器は、裁断機や鉛筆削り、穴開けパンチなど「刃」を使う機器が主力の文具・事務機メーカーである。オフィス用などで使う一般的な文具用はさみは300円程度のものが多い中、7000円もする高価なはさみを開発したのはなぜか。
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