鮮やかな色と柄の組み合わせで、オリジナルのテキスタイルデザインを展開する鈴木マサル氏。自身のブランド「オッタイピイヌ」をはじめ、フィンランドのマリメッコやラプアンカンクリ、国内ではファミリア、ゾフ、ユニクロ、アルフレックスジャパンなどとのコラボでも知られる。インテリアからファッションまで、無限の色を操る表現について聞いた。

2018年1月14日まで福岡・三菱地所アルティアムで開催された個展「鈴木マサルのテキスタイル展 目に見えるもの、すべて色柄」。会場構成は自ら手がけた。これまでに発表したテキスタイルや傘、ラグ、ファブリックパネルなどに加え、アルテック「スツールE60」の天板に直接プリントする新たな取り組みにも挑戦。会場の床に敷き詰めたカーペットにまでプリントを施してある(写真:三嶋義秀)
2018年1月14日まで福岡・三菱地所アルティアムで開催された個展「鈴木マサルのテキスタイル展 目に見えるもの、すべて色柄」。会場構成は自ら手がけた。これまでに発表したテキスタイルや傘、ラグ、ファブリックパネルなどに加え、アルテック「スツールE60」の天板に直接プリントする新たな取り組みにも挑戦。会場の床に敷き詰めたカーペットにまでプリントを施してある(写真:三嶋義秀)

日経デザイン(以下、ND)ご自身のブランドに限らず、色と柄が非常に印象的なテキスタイルデザインを手がけられています。色は不可欠な要素でしょうか。

──(鈴木)そもそも商品に色を付ける必然性は、ありませんよね。特にテキスタイルは色がないほうが使いやすい場合も多い。色がなければ選びやすいし、誰にでも似合う。手をかける労力や製造コスト、環境破壊も含めて考えると、なぜ色を付けるのか。僕はこう考えます。もし白だけならば、価格や大きさ、素材の手触り感など、諸条件に合わせて商品を選んでしまうでしょう。そこに色や柄があれば、「この色が欲しい」「この柄が好き」というように選択肢を増やし、積極的に選び取る行動を促してくれる。色はそういう存在です。逆に、色と柄を設定することで選ばれなくなる危険性もある。でも単純に言えば、魅力的なものづくりを目指す場合に、色は最大の武器になります。

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