
- 全8回
チャネルシフト時代の戦い方
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- 第1回
- 2017.10.02
チャネルシフトとは何か――小売りを襲うAmazon Dashという衝撃 2016年12月、米Amazonの「Amazon Dash」が日本でもデビューした。これによってスマートフォンやパソコンを立ち上げなくとも、ボタン1つ押すだけで、いつもの商品を注文できるようになった。冷蔵庫の扉や洗濯機、あるいはおむつを入れている棚などに取り付けておき、「そろそろ買い足しておこうかな」と思ったら、ボタンを押す。それだけでAmazonへの注文が完了し、商品が届くという仕組みだ。 -
- 第2回
- 2017.10.02
DashやEcho、Booksから見えてくるAmazonの狙い Amazon Dashにせよ、Amazon Echoにせよ、「家」という意思決定が行われるオフライン空間に、自社のチャネルを埋め込んでいる。こうなるとユーザーはオフラインに存在するデバイスで「ボタンを押す」あるいは「話しかける」だけで、ネットにつながっている感覚がないまま、オンラインでの買い物をすることになる。まさに顧客の買い物行動を軸に、オンラインとオフライン空間とをシームレス化する取り組みだ。 -
- 第3回
- 2017.10.02
米新興アパレルに見るチャネルシフトの新潮流(上) アパレルは近年急速にチャネルシフトが起こっている。その潮流の1つがレンタルアパレルの台頭であり、以前本誌でも採り上げたレディスアパレルの米LE TOTE(ル・トート)はその一例だ。衣類やアクセサリーのレンタルサービスを、月額59ドルから提供する注目のスタートアップである。LE TOTEはオンラインに軸足を置き、単なるレンタル業ではなく、買い取りまでを視野に入れたモデルを築いている。顧客はまず、同社のWebサイトで好きな服のデザインや使用シーン、自分のサイズ、洋服とアクセサリーの点数ごとに分かれたコースを登録して会員になる。 -
- 第4回
- 2017.10.02
米新興アパレルに見るチャネルシフトの新潮流(下) チャネルシフトのもう1つの潮流は、機能特化した店舗の登場である。2007年にシリコンバレーで創業した、EC(電子商取引)専業の米メンズ・アパレル・ブランド「BONOBOS(ボノボス)」は、その先駆的な存在だ。BONOBOSはオンライン店舗に軸足を置く業態だが、全米でオフライン店舗の展開を進めており、2020年までに100店舗まで拡大する予定だという。 -
- 第5回
- 2017.10.02
Whole Foods パワード・バイ Amazon(上) 食品は、アパレル以上に、オフライン店舗での納得感が重要なカテゴリーだと言える。しかしだからこそ筆者らは、次のチャネルシフトの大波は、食品業界で起きると考えている。食品業界に関しては、既に起こった事例ではなく、「これからどのようなチャネルシフトが起こるのか」を、Amazonを題材に考えてみたい。 -
- 第6回
- 2017.10.02
Whole Foods パワード・バイ Amazon(下) オンライン企業が買収によってオフラインへのチャネルシフトを果たす――。こういった事例がこれからも生まれてくる可能性がある以上、この事例はおそらく近年で最も貴重な思考実験の題材である。これを使ったシミュレーションは、おそらく他の業界の今後を考える上でも有益だろう。 -
- 第7回
- 2017.10.02
購買体験をデザインする(上) 事例として取り上げるのは、2010年に創業した米国のメガネブランド、Warby Parkerだ。ビジネス雑誌「ファスト・カンパニー」が選ぶ2015年「最も革新的な企業ランキング」で、Warby ParkerはGoogleやAppleを抑えて1位に輝いている。革新性の真髄は、そのチャネル設計にある。従来オフライン店舗で選択・購入することが当たり前だったメガネ業界に、ネットとリアルの融合による新しい購買体験を実現したのだ。 -
- 第8回
- 2017.10.02
購買体験をデザインする(下) Warby Parkerはオフラインでの体験を重視し、通常の買い物行動のプロセスである「選択→購入→使用」から、「使用→選択→購入」に組み替えている。メガネは日用品や洋服のように、年に何度も購入する商品ではない。いくら価格が下がったとしても、「失敗してもいいか」という気持ちにはならない。視力検査の処方箋を伴うため、わざわざ店舗にいくという面倒さがある一方で、やはりどうしても、オンラインだけでは不安が残る。