様々な産業や業務で予測を活用する動きが広がっている。利用できるデータの種類や量が増え、支援ツールやサービスの選択肢も増えている。データや画像処理による来客数予測に取り組む三重県伊勢市のゑびやの事例を見ていく。
ゑびや(三重県伊勢市)は土産物販売と総席数170の食堂の営業を手掛ける。1日125項目ものデータを取得し、精緻な来客予測のみならず、画像を認識する人工知能(AI)による効果の測定、食事メニューの販売予測や人材配置の適正化まで行っている。ゑびやの小田島春樹代表取締役は「データから予測することで、ここまで(経営問題解決の)幅が広がった」と胸を張る。

ゑびやでは以前から来客数を季節変動などの要素とともにExcelに記録してきたが、「経営者としては明日の来客数を知り、勘を属人化せずデータを取って、従業員全員が分かる仕組みを作りたかった」(小田島氏)。AIによるデータ活用ができないかと考え、2016年10月に開発に着手し、同12月には運用にこぎ着けた。
ゑびやでは来客数を、(1)翌日1日、(2)翌日の営業時間開始から閉店までの1時間ごと、(3)翌日を含む1週間の3パターンで予測している。それぞれが別の顧客行動を予測できることが分かってきたからだ。
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